【アメリカの眼】グリエル兄弟にブルージェイズも興味。亡命の背景に、DeNA契約解除時のキューバ野球連盟の対応への不満?
トロント地元メディアTSNは、ブルージェイズがキューバから亡命したと報じられたグリエル兄弟の獲得に本腰を入れるだろうと報じた。さらに亡命の背景として記事内でいくつかの理由をあげている。
2016/02/11
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昨年末は国への忠誠心を表明していた
12月にTSNは、ルルデスと三兄弟の父親にインタビューをしている。
その際、メジャー球団との契約で手に入れる多額のお金よりも国への忠誠心が大切であると語っていた。今でも亡命をした選手に対しては「ダーティー・ヘッド(汚い考えの持ち主)」などという汚名が付きまとっている。
だがメジャー球団との契約で手にできる金額があまりにも大きすぎたのではないかと、ウェストヘッド記者は援護する。
“Several players who play for Havana Industriales told TSN in December that they make about $40 per month, barely enough to cover their living expenses, although in some cases the government has given players houses, cars and monthly vouchers to pay for their gasoline.“
12月にTSNがレオネス・デ・インダストリアレスでプレーしている選手数名に話を聞いた時、彼らは月々40ドルの収入を得ていると教えてくれた。いくつかのケースでは国家が選手に家、車、そしてガソリン代を賄う引き換え券を月々提供しているとはいえ、ギリギリ生活費を賄えるほどの金額だそうだ。
さらに記事内では、グリエル一家と親交がある関係者の話として、次男のユリエスキはここ最近、キューバ野球連盟と意見が食い違っていたと状況を説明している。
それによれば、2015年にはトロントで開催されたパンナム・ゲームズ(南北アメリカ大陸の国々が参加し、4年に1度開催される総合競技大会)の出場を拒否している。
原因として、キューバ野球連盟がユリエスキの数億円にもなるプロ野球球団(横浜DeNAベイスターズ)との契約を押しつぶしたことも影響していたようだ。
当時、キューバでプレー中に怪我を負ったユリエスキ・グリエルを日本の関係者は治療目的のために早く来日させるよう依頼したという。だが一流の医療システムを誇ることで知られているキューバの野球関係者は、それを侮辱と感じ、その後ユリエスキの契約解除という結果に終わってしまったと、その時の出来事を紹介している。
その時に生まれた食い違いがキューバ野球界にとっては致命的となってしまう結果となったようだ。
出典: Blue Jays are likely suitors for Cuban Brothers by Rick Westhead in TSN on February 9, 2016