【MLB】ピート・ローズはどんな選手? 記録を塗り替えるイチローはMLBの歴史を掘り返す存在
日米通算最多安打記録をはじめ、MLB通算3000安打、MLB通算500盗塁、日米通算2000得点など数々の記録更新を目前に控えるイチロー。歴史に埋もれたレジェンドの栄光を掘り返すその歩みは、野球史にとって大きな意味を持っている。
2015/08/27
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野球賭博で永久追放や、韓国人モデルとの再婚など波乱万丈
現地25日の試合で、MLB通算10000打席越えを達成、同15日には日米通算安打数が4192本となり、タイ・カッブ越えを果たしたイチロー。
イチローの記録達成とともに、MLB最多安打記録保持者のピート・ローズ、タイ・カッブに加え、過去にはベーブ・ルース、ジョージ・シスラーらすでにベースボールの世界ではレジェンドの領域に入る選手たちの名前が日本でも連日取り上げられている。
特に日米通算安打、メジャー通算500盗塁、二つの大記録を越えようとするイチローの活躍が、図らずもMLBの歴史を掘り起こすことに繋がっている。
最も頻繁に名前があがるのがMLB通算安打数記録4256本を保持するピート・ローズだ。
ローズは1960年にシンシナティ・レッズに入団すると、1963年故障したドン・ブレイザー(元南海)の穴埋めとしてメジャー昇格。
1年目から170安打を放ちその年の新人王を獲得すると、瞬く間にレギュラーを掴んだ。3年目には初の3割、200安打を達成、68~69年には2年連続で首位打者を獲得と順調にキャリアを重ね、1970年代にはケン・グリフィー、ジョニー・ベンチらとともに、あの「ビッグレッドマシン」の牽引者として猛威を振るった。
1978年にフィリーズへ移籍し、フィラデルフィア、モントリオール(エクスポズ、現在のナショナルズ)でプレーするも1985年に選手兼任監督としてレッズに復帰。1986年シーズン限りで監督業に専念することを理由に24年間の現役生活に幕を閉じている。
安打数ほか試合数など数々の部門でMLB記録を持つローズだが、1989年、野球賭博への関与が発覚し、永久追放処分に処されたため殿堂入りは果たせていない。現在も本人を中心に復権運動が続けられているものの見通しは厳しい。
現役時代は常に全力プレーの姿勢から「チャーリーハッスル」の異名でファンからは絶大な人気を誇ったローズ。球界追放後も依然多くのファンに愛されていることは今年のオールスター戦前のセレモニーの大歓声が証明している。
日本でもその人気の高さは変わらず、78、79年に日米野球で来日した際には日本のカップラーメンのCM出演を果たした。またFAだった78年には西武からの入団の誘いもあったという。
私生活では2度の離婚をしており、現在の奥さんは39歳年下の韓国出身のセクシーモデル、キアナ・キム。長男ピート・ローズJrは、父と同じレッズでメジャー昇格を果たすもわずか2安打に終わっている。
イチローがあと64本と迫る歴代最多安打記録(日米通算)に加え、MLBの最多打席記録も持つローズ。イチローの日米通算打席数は14100打席。ローズの記録まではあと1761打席足りずこちらの更新は厳しそうだ。