過去90人以上務めた、阪神の4番。金本知憲新監督は「生え抜き」を育成できるか?
来季、金本知憲新監督を迎える阪神。かつて阪神の4番を務めた指揮官には「生え抜きの4番の育成」という期待もかかる。
2015/11/03
江越の成長に期待
最近の阪神では生え抜きの4番は極めて少ない。
2011年に関本賢太郎が2試合、2013年に鳥谷敬が26試合務めたのみ。二人とも4番打者というタイプではない。
野村克也氏は1999年、阪神の監督に就任した時に当時の久万俊二郎オーナーから「4番とエースを作ってほしい」と言われた際、「4番とかエースは育てられませんよ。最近の4番バッターを思い出してください。バースだ、オマリーだ、田淵だ、みんな出来上がった選手を連れてきただけじゃないですか。育ったのは掛布だけ。ならば次の掛布まで何十年も待つのですか」と答えたという。
それほど4番を育てるというのは難しいということだが、一方で、育てることをせず、外国人や移籍選手に頼っていては、チームの本格的な強化は難しい。
金本監督自身、91年にドラフト4位で広島に入団し、競争に勝ち抜いて、7シーズンかけて1998年7月12日に初めて4番に座った。
4番打者は、球団が長期展望をもって「育てるもの」でもある。
金本監督は、秋季キャンプでは江越大賀ら4人を強化選手に指名し、中心打者に育て上げると宣言した。
特に江越は駒澤大学時代4年生時には4番を務めていた。
今年も4番は、ゴメスが128試合を務めた。来年も残留となれば、4番の最有力候補だろう。ここに生え抜きの選手たちがどこまで食い込んでこれるのか。
結果が出るまでには時間がかかるかもしれない。しかし金本監督には、「今日の1勝」をどん欲につかむとともに、「未来の4番打者」の育成に期待したい。