【2015年ブレイク選手】阪神・歳内宏明、来季はトラのクローザーも!? シーズン終盤の快投でつかんだ信頼
呉昇桓の退団で新守護神の確立が急務となった阪神は、早速抑え候補の新外国人を獲得する方針だ。しかし金本知憲新監督も頭を悩ますこの問題を解決するのは、今季飛躍を遂げた22歳の若き右腕かもしれない。
2015/12/24
三振を奪える能力の高さはリリーフ向き
「若手が伸びない」と言われて久しい阪神の中で今季頭角を表したのが、プロ4年目、22歳の右腕・歳内宏明だ。
福島・聖光学院時代はスプリットを武器に三振を量産。特に3年夏は県予選、甲子園あわせて54回2/3を投げ、90奪三振という驚異的な記録を残している。
プロ入り後も「ストレートとスプリット」を軸としたスタイルを貫き続け、1年目から順調に登板機会を増やした今季はすべてリリーフで29試合に登板。1勝1敗2H、防御率2.62と、飛躍の年となった。
一軍スタートとなったキャンプでは右肩を痛め、開幕は二軍スタート。それでも、6月14日に一軍に昇格すると同日のオリックス戦で今季初登板。1回を2奪三振無失点と首脳陣の期待に見事応えて見せた。
圧巻だったのはシーズン終盤、チームが上位争いを演じた9月以降の投球だ。
中盤に調子を崩し、8月19日の巨人戦で1死もとれずに1安打2四球、3失点で降板。翌日に調整のため一軍登録を抹消されたが、再登録可能な10日後にすぐさま一軍復帰。以降は主にビハインド、同点の場面での登板ながら、イニングまたぎもキッチリとこなし、10試合13回2/3を自責点1。もつれにもつれた今季のセ・リーグで、クライマックスシリーズに滑り込む陰の立役者となった。
最大の武器は、高校時代から変わらぬ「勝負所で三振を奪える」能力の高さ。タイプ的には典型的な「クローザー、セットアッパー向き」の投手といえる。
プロ入り当初は先発としての起用も見られたが、現在は本人も「もう吹っ切れました」と語るように、リリーフで勝負していく覚悟を決めている。