今江、クルーズ流出の千葉ロッテ。新助っ人ナバーロは“第2のウッズ”になれるか【ほぼ月刊マリーンズ#9】
昨年末に発表された元ホークスのジェイソン・スタンリッジに続いて、かねてから噂のあったヤマイコ・ナバーロをも正式に獲得し、「熱き心で!」優勝を目指すマリーンズの今季陣容もいよいよ全貌が見えてきた。もはや「今世紀最強」と言っても過言ではないホークスの牙城をどう崩すか──。今回は、そんな現時点でのシーズン展望をコラムにしたい。
2016/01/19
ファン待望“48発”ナバーロ砲がついに入団!!
去る1月13日にもたらされた、ヤマイコ・ナバーロ正式獲得の報には、この年末年始をヤキモキしながら過ごしていた多くのマリーンズファンも、ホッと胸をなでおろしたに違いない。
なにしろ、これまでの助っ人遍歴、ことにホセ・カスティーヨやクレイグ・ブラゼルといった他球団の“お古”な長距離砲を、いずれもシーズン途中で獲得してきたここ最近の傾向を考えれば、とりあえずは現有戦力のままやってみて、にっちもさっちも行かなくなったら、あらためて補強を考える──という、出たとこ勝負な方向性も大いにありえた話。
実際、ルイス・クルーズのジャイアンツ入団が発表された直後に流れたのが、よりにもよって「ロッテ、新人9人の血液型発表」という謎の脱力ニュースだったときには、「さては、新人の話題性だけで乗りきるつもりだな」と、なかば諦めムードすら漂いはじめたほどだった。
ゆえに今般のナバーロ獲得は、「是が非でも頂点を目指す」と意気込む伊東勤監督や、「日本一奪取」を公言する山室晋也球団社長らの発言に、どこか懐疑的だったファン(他ならぬ、筆者もそのひとりだけど)にも、その本気度を知らしめる、これ以上ないファインプレー。
クルーズ&今江敏晃の流出でガクッと落ちたチームへの期待感は、お隣、韓国のプロ野球史を塗りかえた“大物”助っ人の加入と、平沢大河を筆頭とした前途有望すぎるルーキーたちの本格始動によって、一気に上げ潮へと転じたと言っても過言ではないのである。
むろん、内野の要でもあった主力が同時に2人も抜けた穴が、そう簡単に埋まるものではないことは百も承知。守備力に関しては、かなりの戦力ダウンにはなるだろう。
だが、当のナバーロが噂に違わぬ実力を発揮してくれさえすれば、少なくとも、大事に育ててほしい高卒ルーキーを「しょうがないから」1軍で使う──といった消極的な起用はせずに済む。それだけでも、決して安くはないお金をかけた意味は十二分にあるというものだ。