今江、クルーズ流出の千葉ロッテ。新助っ人ナバーロは“第2のウッズ”になれるか【ほぼ月刊マリーンズ#9】
昨年末に発表された元ホークスのジェイソン・スタンリッジに続いて、かねてから噂のあったヤマイコ・ナバーロをも正式に獲得し、「熱き心で!」優勝を目指すマリーンズの今季陣容もいよいよ全貌が見えてきた。もはや「今世紀最強」と言っても過言ではないホークスの牙城をどう崩すか──。今回は、そんな現時点でのシーズン展望をコラムにしたい。
2016/01/19
大化けすれば“第2のウッズ”になる可能性も
一方、いくらナバーロが韓国球界での2年間で100本近いホームランを量産してきた実績をもつと言えど、それはあくまで極端に打高投低と言われる韓国球界での話。もれ伝わってくる「素行不良」などといった情報も含めて、不安要素も少なくない。
だが、のちにパ・リーグをさすらうことになるホセ・フェルナンデスが、同じく韓国・SKワイバーンズから入団して見事に日本の環境に順応したように、はたまたOB(現・斗山ベアーズ)で5シーズンを過ごしたタイロン・ウッズが、球史に残る優良助っ人として活躍したように、ナバーロもまた、さらに大化けする可能性を秘めた逸材であることは、紛れもない事実。彼自身が、先のフェルナンデスの来日時と同じ28歳とまだ若いことも、大きなアドバンテージとなるはずだ。
いずれにしても、「助っ人」と呼べるかどうかも未知数な新外国人に、まだ見ぬ夢を託すのもプロ野球の醍醐味のひとつ。それが吉と出るか、凶と出るかに一喜一憂するのも悪くない。
我々ファンとしては、ナバーロの加入が、内野陣の奮起を促すカンフル剤として機能し、昨季の清田育宏のような“覚醒”が、今度は鈴木大地や中村奨吾、高濱卓也、三木亮といった若き内野手の誰かにも起こることをひそかに期待したいところだ──。
ちなみに、現時点における個人的な願望コミコミの予想オーダーは下図の通り。
相変わらずの“左不足”なのは懸念材料だが、内竜也が開幕から行ける今季は、中継ぎ陣がさらに盤石。ジェイソン・スタンリッジの加入で厚みは増した先発候補には、名前を挙げた6人以外(野手・投手の外国人枠はあるが)にも、古谷拓哉や藤岡貴裕、唐川侑己に木村優太、さらには2位指名の即戦力右腕・関谷亮太、6位の異色“教官”右腕・信樂晃史といった面々が、開幕1軍に向けて凌ぎを削る。
野手陣については、アルフレド・デスパイネがいる以上、角中勝也の「DH志願」は物理的に不可能だが、「バントをしない2番」として、キャリアハイの更新にはぜひとも挑んでほしいもの。2000本安打まであと88本に迫った“俺たちの”福浦和也には、無理を承知でフル出場をお願いしたい。
なお、前述の「血液型発表」のニュースによると、ドラ1・平沢は今回のメディカルチェックで自分が「A型」であることを初めて知ったという。あれほど輝かしい活躍をしていながら、血液型を知らずにここまで来たのは、なにより身体が丈夫である証。そういった意味では、我々を脱力させたあの一件も、実は“朗報”だったと言えるだろう。