「僕は頼られる存在になりたい」DeNA須田、生き残りへ“究極の便利屋”としての覚悟
2010年ドラフト1位でベイスターズへ入団した須田。昨年、崖っぷちの中から一つの活路を見出した。
2016/02/08
場所を問わず、必死に投げる
チームへの貢献と自身の生き残りを賭けて須田幸太がした選択は“究極の便利屋”だ。
2010年のドラフト会議で1位指名され早稲田大学から横浜ベイスターズ(当時)に入団した須田は、先発投手として期待され、3年目の2013年には自身最多の6勝をマークしている。さらなる成長を望まれた翌2014年、須田は不振に陥ってしまい、先発としての登板はわずか1試合のみで周囲の期待を裏切ってしまう。
活躍をしなければクビもありうると考えていた昨シーズン、須田は新たな道で活路を見出すことになった。
「ピンチをチャンスに変えるような起用をしてもらい復活の一手が打てました」
昨年の須田は、シーズン途中に先発ローテーションに入ると、それだけに止まらず、ロングリリーフや敗戦処理、またはストッパーなどで抜擢された。
場所を問わず献身的に投げる姿は、かつての須田とは違う、必死さと逞しさにあふれていた。
9月5日に横浜スタジアムで行われた巨人戦では、1点リードの9回表、1死1、3塁というピンチの場面でマウンドに上がると、打者二人を斬って取り初セーブを挙げている。持ち前のベビーフェイスに鋭い眼光を宿し、強いボールを投げ込むその勝負度胸満点の姿に、詰めかけたDeNAファンは大歓声を送った。
「ほとんど緊張はしませんでしたが、あの投球はファンの後押しがあってこそ。試合終了後のハマスタでの大歓声は、今でも忘れられません」