「僕は頼られる存在になりたい」DeNA須田、生き残りへ“究極の便利屋”としての覚悟
2010年ドラフト1位でベイスターズへ入団した須田。昨年、崖っぷちの中から一つの活路を見出した。
2016/02/08
どんな場所・場面でも投げる
自分は何を求められ、何をするべきなのか――生きる道は定まった。
「昨年、ピッチャーとしてすべてのポジションをやらせてもらったので、その経験をリセットせず、今シーズンに生かしたい」
須田は、どんな場面、どんな状況であっても、マウンドに立つことを決意している。
はっきり言ってしまえば地味な役回りである。
スポットライトが当たるような華々しさはなく、良い投球をしても数字に表れることはあまりない。
しかし現代野球を鑑みれば、スクランブルで登板できる屈強な縁の下の力持ちがいなければ、長いペナントレースを戦い抜く強いチームにはなることはできない。その一端を担うことを須田は誓っている。
「昨年、フロントの方と話したとき、うちのチームは生え抜きの便利屋が成功した例はないと言うんです。だったら自分がやってやろうじゃなかって。だからラミレス監督には、どんな場面であっても使ってくれと伝えてあります。谷間の先発でも敗戦処理でもロングリリーフでも。昨シーズンは29試合投げたので、今シーズンは40試合、いやできれば50試合を目指して投げたい」
強い言葉。強い覚悟。そこにはかつて大卒ドラ1としてローテーションの一角を担ったプライドなどなく、今年30歳になる生え抜き選手ならではのチームとチームメイトへ対する思いが込められている。