攻守において評価の高いDeNA戸柱。得点力向上がポイント【野村弘樹の眼】
12球団で唯一、クライマックスシリーズ進出を果たせていないのが横浜DeNAベイスターズ。開幕から数試合を消化したが、OBの野村弘樹氏の眼にはどのように映っているのか。次には野手編だ。 (元横浜ベイスターズ・野村弘樹氏 トークショー&サイン会の内容の一部を編集)
2016/04/05
ポイントはロマック。チャンスでいかに得点へつなげられるか
DeNAの持ち味は筒香嘉智を中心としたその打線にあるわけだが、野村氏はキーマンに新外国人であるロマックを挙げる。
「オープン戦を見るかぎり難しいかなと思ったのですが開幕してみると雰囲気が変わりました。長打力はもちろん選球眼もいい。まだシーズン序盤なので評価するのは難しいのですが、筒香の後ろを打つ選手ですし当り出したら面白い存在になると期待はしています。
あと、私としてはやはり打線は固定するべきだと思うし、ラミレス監督にもその傾向があるように感じています。98年の日本一のときも完全に固定されていたわけですし、メリット・デメリットを考えれば固定したほうが選手の負担は減ります。あとは梶谷隆幸と石川雄洋が戻ってきたとき、どのようなオーダーするのか注目ですね」
ただ問題は、オープン戦からここまでDeNA打線は安打は放つものの繋がりが悪く得点には至っていないことだ。この点をいかに改善していけばいいのか。
「そこは進藤達哉ヘッドコーチとも話したんですが悩んでいましたね。チャンスを作ることはできるけれども、あと一本が出ない。どうやって点を取っていくのか。今後はスクイズを含め細かいことをやり1点1点を積み重ねていくカタチが増えていくかもしれません」
野村氏の読みはスバリ的中し、3月30日の巨人戦では7回にロペスがゴロゴーで本塁を落とし入れると、続けざまにダブルスチールを仕掛け追加点を奪っている。もう一本が出ない中、ラミレス監督の采配が光った一戦だった。
「ラミレス監督は明るい一方で現役時代から非常に頭のいい選手でしたから配球も含めあらゆる戦術を用意していると思います。また進藤ヘッドは、監督・選手・コーチともどもいいコミュニケーションが取れていて雰囲気は良いと言っています。あとはいかに選手たちがラミレス監督の考えに応え、投打を噛み合わせることができるか。昨年、悔しい思いをしている選手たちは多いわけですし、その想いを胸に一丸となって戦うことができれば、上位進出も不可能ではないと思います」