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実戦復帰の梶谷、「一軍に上がったら雰囲気を変えたい」。低迷するDeNAの救世主になれるか

最下位に苦しむDeNAにとって、この男の復帰は何よりの朗報だ。横浜DeNAベイスターズ・梶谷隆幸が26日のフューチャーズ戦で実戦復帰を果たした。

2016/04/28

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思い出される2013年のような衝撃的な復帰

 久しぶりのバッティングを見るかぎりタイミングを計りながら基本通りセンター返しを意識した打撃をしているように思えたが――。

「いやいや、僕はバットに当たったら行き先はボールに聞いてくれというタイプなので、狙ってセンター返しということはありません。とにかく今回はタイミングだけ。あとは強く振りたいと思って100の力を出そうとしたんですけど、7~8割の力になってしまいましたね。タイミングがずれている分、しっかりとスイングができていないので、今後はそこをいかに修正していくか」

 現状100の力が出せないのは、やはりケガの再発を無意識に恐れているからだろう。左脇腹はプロになって初めて痛めた部位である。当初、梶谷のケガはスイングなどで筋肉を痛めたわけではないので、打撲程度のものと考えられていたが、状態は深刻だった。

「かなりの勢いで衝突しましたからね。肋骨損傷で、折れてはいないんですけど、むしろ折れているほうがマシだったぐらいだそうです。骨膜に至るもので、医者からもクセになると言われました」

 ゆえに治療は長引いた。再発を避けるために安静にしている時間が長く、そうこうしているうちにシーズンは始まってしまった。

「こういったシーズンインは初めてだったので歯がゆかったですね。ああオレ、仕事してないなって無気力な日々で……。再発するかもしれないという不安もある。だから正直、(一軍の)試合もあまり見たくなかったんです。もちろん結果だけは気になってチェックしていましたが」

 梶谷不在の状況、チームは打撃不振にあえぎスタートダッシュに失敗。最下位に沈んだ。

「僕は何もできないし、そこはもうみんな頑張ってくれって気持ちだけでした。
 今は焦ってもしょうがないし、いつ(一軍に)上がれるか分からないけど、一日も早く試合勘を取り戻して、チームの勝利に貢献したい」

 現状を鑑みて思い出されるのは、梶谷がブレイクした2013年の夏だ。梶谷はケガから戻ってきた直後の8月に、81打数33安打、打率.407、8本塁打、22打点と大爆発をして球界にその名を知らしめた。あのときの再来を期待してしまうのだが……。

「あれはたまたまですが、ウエイトをしっかりやって体重が落ちていない良い体調でゲームに入れたからだと思うんです。今ですか? 体重は92㎏あって、ウエイトもバリバリやっていますよ」

 体重92㎏は梶谷にとって過去最重量である。ここからファームの実戦を経て調整がうまくいけば、梶谷がシーズン前に理想としていた体重90㎏で一軍のゲームに入ることができる。

「体重増やしたからケガしたんだろうって言う人もいますが、そんな冷たいこと言わないでよって感じですよ。自分としてはまったくそんなこと思ってないし、今に見てろよって」

 そう言うと梶谷は快活に笑った。
 冷静に考えれば、梶谷が戻ってきたところでDeNAの打線が上向く保証はない。ただ、昨シーズンの得点圏打率リーグ1位の梶谷が加わること、チームメイトから信頼を寄せられている10年目の生え抜き選手が背中を見せることはチームにとってプラスでしかない。

「自分がチームに勢いをつけるんだという気持ちで、今からいい準備をしていきたい。みんなも打ちたいと思っているはずだけど、うまくいかないこともある。何とか踏ん張ってもらって、僕が一軍に行ったときは雰囲気を変えたいという気持ちがすごくあります」

 DeNAが誇るクラッチヒッターは苦しむチームの救世主となれるのか。その答えはまもなく出るはずだ。

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