イップスを乗り越えて――谷繁監督も絶賛した桂の〝復肩〟
ドラゴンズの喫緊の課題は正捕手の育成である。小田らが抜ける来季、谷繁選手兼任監督のレギュラーの座を脅かすような新星の台頭が期待される。ぜひ、プロ野球ファンに、「桂依央利」という選手に注目してもらいたい。
2014/11/27
正捕手の育成は急務
先日、ドラゴンズの秋季キャンプが終了した。
名伯楽として知られる土井正博臨時コーチは、打撃面での成長があった選手として、高橋周平、福田永将、桂依央利、松井佑介の4人の名前を挙げていた。
ここで注目をしたいのが、捕手の桂だ。下の名前は「いおり」と読む。
ドラゴンズには先発や外国人の大砲など、補強すべきポイントがいろいろあるが、その中の一つが扇の要、キャッチャーである。
ドラゴンズの正捕手といえば、この10年以上、谷繁元信兼任監督がガッチリと守っていた。
谷繁の存在は、強いドラゴンズの象徴だ。
しかし、谷繁も来季は44歳。
山本昌のせいで錯覚を起こしがちだが、どう考えても引退間近の大ベテランである。しかも監督兼任ということで、新たな正捕手の育成は急務だ。
14年は谷繁と松井雅人、途中入団の武山真吾の3人で捕手を回していた。打率はなんと全員1割台だった。
この下位打線での点の取れなさぶりは、地味にドラゴンズの成績にダメージを与えていたと思う。
そこで桂である。
身長185センチ、体重83キロ。2013年に大商大からドラフト3位入団した期待の大型捕手だ。
桂の武器は、まずなんといっても強肩である。
捕手が捕球してから2塁に到達するまでのタイムが2秒以下なら強肩と言われているが、桂の場合は大学時代ですでに1.8秒台を記録していた。スローイング技術を磨けば、さらにタイムは短縮されるだろう。
また、関西6大学リーグで首位打者を2度も獲得したほどのバッティングセンスも併せ持つ。
まさに逸材、まさに即戦力候補だった。