DeNA石田、2年目の飛躍。野球人生で交差する日本ハム・有原の存在
DeNAの2年目左腕・石田健大が5月度の投手部門の月間MVPを獲得した。その石田は高校時代から有原の背中を追いかけていた。
2016/06/07
1球目のストレートに込められた意思
もっとも強気なのは姿勢だけではない。
ピッチングスタイルも、常に向かっていくのが石田の真骨頂だ。
思い起こされるのは彼が4年の春のリーグ開幕日でのこと。
チームとしてのリーグ開幕戦、その相手は早稲田大だった。
石田はドラフト候補として注目されて臨む、プレイボール直後の第1球、打者の懐にえぐるようなストレートを投げ込んだ。ちなみにその時の打者はのちにプロ入りする中村奨吾(ロッテ)だった。
昨今でも共通するが、ドラフト候補と言われる投手ほど、最終学年になると変化球偏重になる。打者を抑える上ではその選択は決して間違いではないが、そうした姿勢には選手としての主張に物足りなさを感じる。だが、石田は違っていた。
当時の石田は、大学生にしては速いボールを投げていたといっても変化球を駆使していくピッチャーだった。それでもストレートで向かっていった姿勢には、投手としての本能を見せられた気がした(試合は3-0で早稲田大が勝ち、有原が完封した)
「自分の一番見てもらいたい球はストレート。大事なのはストレートで空振りをとることだし、それができているときが調子のいいときなんです」と当時、石田は語っていた。
DeNAは来週、日本ハムとの交流戦を迎える。
残念ながら、このままのローテでいけば、2人がぶつかり合うことはない。
だが、もし先に登板する有原が好投したとき、それを見た石田が、翌日にどのようなピッチングをするのかは、非常に興味深い。
大学時代はともに19勝で終え、今季、2人の勝敗は5勝2敗と並んでいる。
月間MVPを受賞した石田は今季どれほどの成績を残すのだろうか。