DeNA田中健二朗、後半戦リリーフ陣のキーマン――「今日もブルペンにいる」安心感を
投手陣に疲れが見える横浜DeNAベイスターズ。これまで獅子奮迅の活躍を見せてきた須田幸太が離脱した今、田中健二朗に懸かる期待は大きい。
2016/06/24
28試合に登板、防御率1.25の好成績
「僕はもう9年目ですし、ここ(一軍)でやれなかったらクビになる立場。常にそういう気持ちで投げています」
神妙な表情で田中健二朗はそう語った。
交流戦の最後を6連敗と厳しい状況で締めくくってしまった横浜DeNAベイスターズ。この6連敗では打線の不調に加え、自慢の先発陣が石田健大以外粘り切れず、さらに盤石だった後ろの三上朋也と山﨑康晃が被弾し落とした試合もあり、全体的に投手陣から疲労の色が見てとれた。
6月20日には中継ぎで26試合を投げ“超便利屋”として活躍をしていた須田幸太が右上腕二頭筋の張りを訴え登録抹消。プルペン陣のリーダー的存在であり、勝利の方程式にも組み込まれていた須田の離脱はDeNAにとって痛手であることは間違いない。
そんな状況にあって今後のブルペン陣のキーマンになると考えられるのが左腕の田中である。田中はここまで28試合に登板し、防御率は1.25。公私ともに仲の良い須田同様、勝ちゲームはもちろん、ビハインドの場面、ワンポイントと自分の仕事を着実にこなしている。
「点差がどうこうというよりも常にバッターひとり一人に集中して対戦することを心掛けています。やり甲斐ですか? もちろんありますよ。自分が投げることでチームが勝ったり、また投げた回の裏で逆転したりすると抑えて良かったなって思うし、僕自身それで波に乗って行けますからね」
田中は好調だった昨年前半、主に球威を武器に抑えていたが、今年はストレートの割合が低くなりスライダーやカーブで丁寧にコースを投げている印象がある。
「自分の中で変えたというほどではないのですが、キャンプから調子が上がらず投げているうちに球威で勝負するのは難しいと思ったんです。じゃあ、どうするか。コーナーに行くのか、前後にずらすのか。三振を狙わず、悪いなりにゴロでアウトを取っていこうと考えになりました」
実際、奪三振率は昨年の7.99から7.06に下がっている。しかし防御率は昨年の2.20よりも改善されている。
交流戦後のこれからペナントレース、田中にはどうしても頑張らなければいけない使命がある。それは過去の自分を超えるということだ。