ロッテ2010年胴上げ投手・伊藤義弘、右腕の復活ストーリーは最終段階に【マリーンズ浦和ファーム通信#25】
2010年の日本シリーズの胴上げ投手が長いリハビリを経て実戦に復帰した。
2016/07/21
千葉ロッテマリーンズ
長いリハビリを経て
両手を高々と突き上げた。
2010年11月7日、日本シリーズ第7戦。延長12回まで、もつれたドラゴンズとの激戦を制したマリーンズの最後のマウンドには伊藤義弘投手がいた。2回を投げて打者6人、無安打、無失点。ナゴヤドームで躍動をし、チームを日本一に導く活躍をした。あれから6年。あの日の胴上げ投手は二軍の本拠地・ロッテ浦和球場にいる。怪我との戦いの日々を乗り越え、復活に向けた大きな一歩を踏み出している。
「やっと投げることができたという感じですね。この前、実戦で10カ月ぶりに投げましたけど、順調です。いい手ごたえを感じています」
2015年9月24日のイースタンリーグ・北海道日本ハム戦以来となるマウンドに戻ってきた。7月4日のチャレンジマッチ・フューチャーズ戦(ロッテ浦和)。2番手として登板し、1回を被安打1、1奪三振の無失点に抑えた。長いリハビリを経ての実戦復帰。34歳ベテランの表情は明るかった。
痛みは突然、やってきた。最初は右手の薬指と小指に痺れを感じた。最初は疲れかと思い、時間が経てば治ると思っていた。しかし、痺れは次第に深刻なものになっていった。朝起きると、指が曲がったまま動かなくっていた時もあった。私生活でもズボンのポケットに手を突っ込まないと辛くなった。
診断の結果、右ひじから来るもので、骨棘除去術が必要と告げられた。全治まで6カ月。年齢を考えると厳しい選択だったが、復帰を信じ、右ひじにメスを入れた。
「もう、なってしまったものは仕方がない。そう自分に言い聞かせました。焦る気持ちを抑えて開き直って、やれることをやろうと黙々と取り組みました」