借金「6」DeNA、悪夢の8月脱出なるか。CS進出へ98年V戦士は「山﨑康晃とロペスがカギ」
5カード連続で負け越しを喫するなど、借金が「6」に膨らんだDeNA。CS圏外の4位転落も現実味を帯びている。果たして、このままシーズンを終えてしまうのだろうか
2016/08/25
4番・筒香と無理な勝負をしなくていい状況が招いているもの
気がつけば背後に迫った虎の影――。
初のクライマックスシリーズ進出を狙う横浜DeNAベイスターズが正念場を迎えている。
8月24日現在、3位のDeNAと4位の阪神タイガースとのゲーム差はわずか1.5。阪神は23日からの直接対決で連勝し、その差を一気に詰めることに成功した。DeNAにとって残り試合数は26。投打ともに低調な状況に陥っているが、この晩夏での粘りが重要になってくるのは明白だ。
DeNAは昨年とは異なり交流戦で大崩れすることもなくオールスターが明けても約5割の勝率をキープしてきたが、ここにきてチームは著しく調子を崩している。
8月のチーム成績は6勝12敗と、5カード連続で負け越しており、さらに8月のチーム防御率はリーグ5位の3.85、打率にいたってはリーグ最下位の.208と単純に数字だけを見てもこれでは勝つことが難しいのが実状だ。8月の成績がチームを物語るように借金は現在6に膨らんでいる。
「打ち勝たなければいけない試合、ピッチャーが抑えなければいけない試合、それぞれあると思うのですが、残り30試合を切った今、いかに失点を押さえるかが大切なので、やはりピッチャーの頑張りが必要だと思いますね」
こう語るのは球団OBであり野球評論家の野村弘樹氏だ。現在、山口俊、石田健大、井納翔一、久保康友、今永昇太、ペトリックがローテーションをまわっているが、立ち上がりさえ気をつければ、QSが期待できる面々が揃っている。さらに須田幸太、田中健二朗、三上朋也といったリリーバーたちも、チームのためにしっかりと仕事をこなしている。
となると、問題は当然打線にあると考えられるのだが。
「確かにそうなのですが、打線というのはどうしても波があるので、ある程度我慢しなくてはいけない部分もあると思うんです。ただ強いて言うのであればロペスの不振が気になりますね」
ロペスはここ7試合ノーヒットであり、8月の打率は1割台とまるで当っていない。開幕当初、ロペスが不振を極めたことで打線がつながらずチーム状態が悪くなったことがあったが、結果的に3番から5番に打順を変更して復調したことで状況は上向きへと一変した。そう考えるとロペス復活は打線のカギになると言っていいだろう。
「今のロペスには怖さがなく、相手ピッチャーからしてみれば4番の筒香(嘉智)と無理に勝負しなくてもいいので、確実にチームの得点力は下がってしまっている」
実際24日の試合、1回裏2アウト、ランナー二塁の場面で、筒香が敬遠気味のフォアボールで歩かされると、つづくロペスは三振を喫したわけだが、最近こういった場面がいやに目に付く。
「とはいえ、やはりいかにピッチャーが最少失点で抑えるかが勝負になる。23日の試合は井納が立ち上がり打たれましたが、4回以降はしっかりと抑えているわけですからね。経験上、とくにこの時期は、ピッチャーの出来がモノを言います」