DeNA、痛すぎる“超便利屋”の離脱。CS突破へ、須田の穴をどう埋めるか
CS進出を決めているDeNAに衝撃が走った。これまで、チーム最多の62試合に登板したセットアッパーの須田幸太が負傷離脱した。「勝っていても、負けていても投げたい」と話していた献身は、DeNAの快進撃に必要なピースだった。
2016/09/27
「勝っていても、負けていても、基本的に投げたい」
DeNAが熾烈な上位戦線を戦っていた夏場、チームに疲れが見えてきた頃であっても須田は「どんな場面でも出る」と言い、好調の原因を次のように語ってくれた。
「開幕当初は調子が悪かったんですけど、徐々に調子を上げていったという感じですね。プロになって6年目になりますが、体のキレは今年が一番いいと思うし、調子の波をきちんと維持できている。要因ですか? 中継ぎに専念できているというか“超便利屋宣言”をしたことによって、体調管理や練習方法が確立されたのが大きかった」。
須田は、セットアッパーという仕事を突きつめ、時と場合によって“やるべき練習”と“省くべき練習”の取捨選択ができるようになったという。また相手打者への研究をはじめ、試合に入って肩を作るタイミングが確立されたことも好調の要因にあげている。
「コーチの皆さんからは細かい技術面指導をはじめ、毎回ミーティングでこのバッターに対しての配球はこうだといった指示があります。試合中も対象バッターの攻略の仕方を分析してくれているので、僕としては本当にありがたいですね。現状、勝っていようが負けていようが出番はあると思っているので毎試合準備しています。こういった安定したリズムを持ったことによって気持ちの部分も作りやすい。すごく集中できるんですよ」
塁にランナーが残った厳しい場面、そこにはいつもマウンドを踏み慣らす須田の姿があった。そして初球から、ど真ん中のストレートを力一杯放り込む。
「それでいいんですよ。初球は真ん中で(笑)。ただフォアボールだけは出してはいけない、打たれるのはしょうがない、という気持ちで勝負しています。
僕は何でも屋だから、勝っていても負けていても基本的には投げたいんです。極端なことを言えば、もちろん監督の指示には従いますが、別に勝利の方程式なんかに入れてもらわなくても構わない。例えば負けの試合で投げて、自分のピッチングで少しでも勝負の流れをもってこられたらそれで十分。これが僕の仕事だし、今年はそこにブレがない」