ハマの番長引退試合を前に山﨑康晃が語った『18』の背中。「僕も三浦さんのように『19』を育てたい」
9月29日、ハマの番長ことDeNA三浦大輔投手の引退試合および引退セレモニーが開催される。現役生活25年。三浦はチームに何を遺してきたのか。若きクローザー山﨑が番長から学んできたものを語る。
2016/09/29
プロフェッショナルの姿勢は「全力で準備すること」
山﨑のプロ野球人生は、わずか2年弱。三浦の十分の一にも満たないが、わずかな期間であったとしても、そのプロとしての凄味やピッチャーの真髄に接することができたことは違いない。果たして三浦から学び、引き継ぐべきものとはなにか？
「やはりプロフェッショナルとしての野球に対する姿勢と準備でしょうね。誰でも打たれれば悔しいけど、その前にまずは全力で準備することが重要だと学びました。そしてファンに対する立ち振る舞いは本当に素晴らしいと思うし、三浦さんがユニホームを脱いでも、僕がそういった部分を引き継ぐつもりでいます。とにかく一緒に2年間過ごして学んできたことを忠実に守り、続けていくことができれば、三浦さんに少しでも近づけるんじゃないかって」
三浦の引退登板となる本拠地最終戦では、DeNAのチームメイト全員がハマの番長の代名詞である“18”を背負い戦う。まちがいなく横浜スタジアムは、ベンチばかりでなくスタンドも“18”で溢れかえることになるだろう。
「すごく楽しみにしています。僕は背番号が“19”なので、イベントやセレモニーとかがあると並びが三浦さんのすぐ後ろなんですよ。いつも“18”の背中を見て格好いいなって思っていました。僕は大学時代に“18”つけていましたからね。僕もいつか“18”を背負いたいなって気持ちもあるけど、“19”は“19”でいいし、三浦さんが“18”を育てたように、僕は僕で“19”を育てればいいのかって。
けどまあ寂しいですよね。このあいだ休みの日に横浜をブラブラしたんですけど、街中いたるところに三浦さんの大きな看板が掲げられていました。横浜の顔だし、本物のスーパースターだなって。僕も三浦さんのような選手になれるよう頑張りたいです」
そう言うと、星を継ぐもの――山﨑康晃は二コリと笑った。誠実で真っ直ぐな風情。それでいて強気な心情が見え隠れする微笑みは、三浦のそれと、よく似ていた。