カープに敗れたDeNA、『ルーズヴェルト・ゲーム』での終戦がさらなる成長につながる理由
セリーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージで広島に敗れたDeNA。しかし今年の経験は来年につながるはずだ。
2016/10/16
かつて名将が語った『ルーズヴェルト・ゲーム』
このファイナルステージは初戦から2連敗こそしたものの王手をかけられながらも3戦目に先発・井納翔一投手の好投もあって零封勝ちし、何とか一矢報いた。そしてラストゲームとなって涙を飲んだ15日の4戦目は7‐8であと一歩及ばずに惜敗。逆転の連続で得点が動くようなシーソーゲームの流れにはならなかったが、スコア上ではいわゆる「ルーズヴェルト・ゲーム」だった。敵将の緒方孝市監督が、この日のマツダスタジアムのグラウンド上で試合後に「本当に最後の最後までしびれました」とスピーチしたのは紛れもなく、それを物語っている。
ちなみにかつて、この『ルーズヴェルト・ゲーム』について米メディアに興味深いことを口にしたメジャーリーグの監督がいる。ニューヨーク・ヤンキースやロサンゼルス・ドジャースなどの監督を歴任して「名将」と言われたジョー・トーリ氏だ。
2008年のヤンキース監督時代に同氏は大勢のメディアの前で「『ルーズヴェルト・ゲーム』は出来ることならば経験はしたくない。見ている側は面白いかもしれないが実際に戦っているチームにとって、あれほど心臓に悪いゲーム展開はないからだ」とコメント。しかし、その後に続けて「それでも、こういう試合展開で得るものは大きい。うれしいことも悔しいことも、またその他の様々なことが、この『ルーズヴェルト・ゲーム』には凝縮されている。まるで一生分のジェットコースターのような展開が1試合で経験できるというわけだ。この試合展開の中でプレー出来た選手は幸福だと思う。勝った側も負けた側も、ここで得たことを次にどう生かすか。それが個々にとって今後の成長のターニングポイントになっていくだろうね」とも述べていた。この言葉は当時の地元メディア『ニューヨーク・ポスト』などにも掲載されている。