「がんばろう神戸」から20年…DJ KIMURAさんが語る、1995年のブルーウェーブ
1991年から2000年までオリックス・ブルーウェーブの本拠地、グリーンスタジアム神戸（球団名・球場名は当時）でスタジアムDJを務めた”DJ KIMURA”こと木村芳生氏。当時、スタジアムはもちろんテレビなどを通して、「イチロー・スズキィー！」のコールを耳にした人も多いのではないでしょうか。 今年の4月18日（土）、19日（日）ほっともっとフィールド神戸で行われるオリックス・バファローズvs埼玉西武ライオンズ「がんばろうKOBE～あの時を忘れない～」復刻試合でも、スタジアムDJとして登場します。復刻試合を控え、ベースボールチャンネルではロングインタビューを敢行。後編は1995年、ブルーウェーブがパリーグ優勝を果たした年を中心に「がんばろう神戸」の頃、そして現在の映像制作業務へのこだわりについて伺いました。
2015/04/18
提供：木村芳生氏
日本一になった時にかけようと思っていた曲
――1995年は日本一には惜しくも届きませんでしたが、結果日本一に輝く1996年については。
不思議なもので1年経つと、みんな余裕が出てくるというか、変わっていましたね。この年はマジックが出た段階で間違いなく優勝するだろうなと確信しました。
印象的だったのは、日本シリーズで対戦したジャイアンツはファンの数がやはり凄かったことです。開門したらいきなりレフトスタンドがオレンジになって。普段のうちのスタッフじゃさばききれないだろうといつも甲子園に行っている警備の方が来られたりもしました。
この年はリーグも日本シリーズも優勝を神戸で決めることができて、（優勝の時に絶対かけようと思っていた）ロッキーもかけることができました。
――日本一に輝いた瞬間、グリーンスタジアム神戸の雰囲気はいかがでしたか？
よくテレビでも優勝すると泣くシーンが映っていたりするじゃないですか。この時も、震災からの復興ということもありましたし、泣いてない人はいませんでした。
ああ、人ってこんなに泣くものなんだぁと思いましたが、自分は進行がありますから泣けません！「みんなずるいわ?」と思いながら、しゃべっていましたがどうしても鼻水は出ていましたね（笑）。
――この頃には木村氏ご自身のお名前も、数多く聞くようになった印象があります。
いつのまにか「神戸の声だね」と言われるようになったこともありました。また、あの頃はイチローがテレビに出てくる時に必ず「イチロー・スズキ」のコールが入りましたから、公園を歩いていても、自分で「イチロー・スズキ」とアナウンスしながらバッターボックスに入る子を見つけたりもしたんです。やっていてよかったなと思いましたね。
さらに他球団の選手からも「プロ野球選手になって、グリーンスタジアムでDJ KIMURAさんに名前を呼んでもらえるのが夢だった」と言われたのもすごくうれしかったですね。
――その後2000年までスタジアムDJを務められましたが、勇退された理由は？
ガキの頃からDJをして、（当時）38にもなるのにDJ以外のことはその時までやってこなかった、それは恐ろしいなと。そこで自分がやりたいのは「ビジネス」、それも、人を感動させたり驚かせたりカッコいい音楽や映像を作りたいなと思ったんですね。一回プロ野球を離れて、自分にホントに力が出来たらもう一回違う形でプロ野球に戻ってこようと。そこから独学で世界中の球団やスポーツの映像を見たり、映画のカッコいいシーンを研究したりしました。
その後2007年にオリックス・バファローズの映像をまた任せて頂けることになり、そこからオリックスだけじゃなくて、いろいろな（スポーツチーム以外の）会社さんの映像をやっているうちに今の会社ができまして、横浜DeNAベイスターズ、楽天イーグルスや、Jリーグのクラブなどの映像制作もお手伝いしています。
映像の面でプロ野球をよりカッコよくしたいですね。映画のワンシーンのようなシーンを本気でCGで作って、選手に演技させて「よくぞまぁ野球選手のスターティングラインナップの発表のためだけに、ここまで撮影して作ったな！」という風に思って頂きたいです。いろんな球団のエンタテイメントを裏方としてバックアップしていこうと思っています。
――ここ数年、復刻試合でのアナウンスでご活躍されることも出てきましたね。
試合が終わってDJブースを出たらファンの方が一杯来て頂いていて、1時間くらい、球場の掃除が終わる頃まで写真撮ったりサイン書かせて頂いたりということもあって、とてもうれしかったです。
――1995年の優勝からちょうど20年にもなりますね。
福良（淳一）さん、小川（博文）、星野…当時の選手もコーチとして戻ってきていますしね。今年は開幕ダッシュに出遅れたとはいえ、これから巻き返して優勝争いに加われるよう、私も復刻試合を盛り上げて少しでも力になりたいなと思っています。
木村芳生（きむら・よしお）
1991年から2000年までオリックス・ブルーウェーブの本拠地、グリーンスタジアム神戸（球団名・球場名は当時）で”DJ KIMURA”としてスタジアムDJを務めた。それまでのプロ野球とも、海の向こうのメジャーリーグとも異なる、ディスコで培った喋り、演出を球場に持ち込み、日本におけるプロスポーツの演出面の向上に大きく貢献。現在は、スタメン紹介演出などプロ野球チームをはじめ、エンタテイメント、ブライダル等を扱う映像制作会社「（株）レオナルズ（http://www.leonardoes.com）」社長。
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