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モスコーソと同タイプ? DeNA待望の左腕、デュアン・ビロウは救世主になるか

ベイスターズが新助っ人として、メッツ傘下3Aの左腕、デュアン・ビロウの獲得を発表した。制球力に優れ、先発とロングリリーフでともに成績を残しているビロウ。その活躍に大きな期待がかかる。

2015/06/28

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先発もリリーフ、どちらにも対応

 投手としては制球に優れる技巧派タイプ。
 与四球率2.42と制球に優れ、自滅するタイプではないものの、奪三振率は5.19と平均を大きく下回り、ピンチを三振で切り抜ける能力には欠けている。打たせて取るタイプではあるが球威に欠けるためゴロ率43.1%は平均以下、被本塁打率は平均以上と一発を浴びる可能性が高い。

 狭い横浜スタジアムでは不安が残るものの、奪三振率の低いフライボーラ―といった意味で同タイプのモスコーソが結果を残しているという好材料もある。

 各メディアから大型左腕と表現されているとおり、長身から投げ下ろすボールに角度はあるが、速球の平均球速は145k/h前後、最速でも150km/hと体格に反してその球威は並。MLBでも被OPS.854と大きく打ちこまれている。球威で押すタイプではない。

 投球パターンとしては、このフォーシームを中心に(投球割合55%)、カーブ、スライダー、チェンジアップを織り交ぜる形。特に武器になりそうなのはゴロ率62.2%を誇り、ウイニングショットにもなっているスライダーと、被OPS.411と効果を発揮するカーブの2球種だ。
 どちらのボールもコントロールに優れストライク率は69.5%を記録している。ストレートとのコンビネーションで効果を発揮するボールのため、速球の球威に左右されるところはあるが、頼れるセカンドピッチを持っているのはビロウの大きな魅力だ。

 今季は3Aながら先発、リリーフの両方で好成績を残しているところも見逃せない。リリーフで6試合14回2/3を投げ防御率1.23、先発としても5試合で34回2/3、防御率2.60を記録している。臨機応変に前と後ろをこなせる器用さ、どちらでもイニングを稼げる安定性は今のベイスターズに最も必要な能力だ。

 また、韓国リーグでプレーした際にはコミュニケーション、心を開くことの大切さを痛感したというビロウだけに、日本での新たなチームメイトへの適応にも期待が持てる。

 モスコーソ、エレラ、ロペス、バルディリスと優秀な助っ人が揃い、外国人枠の問題こそあるものの、先発、リリーフともに駒不足に悩む台所事情、そして岡島や林、大原らの不調で頼れる左のリリーフが田中健二朗しかいないことを考えれば、今回のビロウ獲得の意義は非常に大きい。
 初のAクラス、そして首位奪回の切り札になるか。

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