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【プレミア12出場チームAグループ】イタリア以外は横一線で大混戦か。チェン、デスパイネらNPB在籍選手にも注目

11月8日の札幌ドームで『プレミア12』が開幕する。世界野球・ソフトボール連盟のランキング上位12チームが出場する大会での日本のライバルを紹介していく。まずはグループAだ。

2015/11/07

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宮野敦子



チャイニーズ・タイペイはNPBでプレーする左右の投手が中心

 いよいよ11月8日の札幌ドーム、日本と韓国のライバル対決で、世界の強豪による王者決定戦『プレミア12』が開幕する。この大会は、世界野球・ソフトボール連盟のランキング上位12チームが出場。6チームずつ2つのグループに分かれて総当たりの予選ラウンドを戦い、勝率上位4チームが準々決勝に進出し、ここからはトーナメントで優勝を争う。小久保裕紀監督が率いる日本はグループBに入ったが、今回はグループAから出場チームを紹介していこう。

 日本とともにホストを務めるチャイニーズ・タイペイ、「赤い稲妻」と恐れられるキューバ、近年の躍進目覚ましいオランダ、7月に開催されたパン・アメリカン競技大会(パンナム)優勝のカナダ、2013年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で準優勝したプエルトリコ、そして、長くヨーロッパの野球を牽引するイタリアと、まさに世界の強豪がひしめく。

 この中で、国内リーグの選手が中心となるイタリアがやや苦戦するかと見られるが、その他の5チームは横一線。仮に5チームともイタリアからは勝ち星を挙げ、当該対戦が星の潰し合いになると、5チームが3勝2敗で並ぶケースも考えられる。

 昨年まで福岡ソフトバンク投手コーチだった郭泰源監督が率いるチャイニーズ・タイペイは、監督と同じように日本で活躍する陳冠宇(千葉ロッテ)と郭俊麟(埼玉西武)が先発で左右の両輪となる。
 ほかにもベテラン右腕の潘威倫(統一セブンイレブン)、メジャー・リーグ(MLB)経験のある左腕・倪福德(義大)、重い速球の王鏡銘(統一セブンイレブン)と好投手が揃う。
 中でも注目したいのが、台湾体育運動大の19歳で、9月のアジア野球選手権でも好投した左腕の呂彦青だ。元中日のチェン・ウェイイン(ボルチモア・オリオールズ)のような好素材が、どんな投球を見せてくれるか楽しみである。

呂彦青

 一方の打線は、台湾プロ野球(CPBL)新記録の34本塁打をマークし、39本まで記録を伸ばした高國輝と、7月に通算1000安打を達成した左打ちのスラッガー・林益全の義大コンビをはじめ、強打の捕手・張進徳(ピッツバーグ・パイレーツA級)、陽岱鋼(北海道日本ハム)ら好打者が並ぶ。内野の守りにやや不安があるものの、目標はベスト4位以上だ。

デスパイネが中心のキューバ

 パンナムで3位に甘んじ、世界一奪還を狙うキューバは、実績豊富なベテランを多く招集した投手陣の出来がカギを握る。

 また、千葉ロッテでも活躍するアルフレド・デスパイネが軸となる打線では、グリエル3兄弟がロースター入りした。攻守にバランスのいい長男ユニエスキ、昨年は横浜DeNAでプレーし、代表でも中心的存在の次男ユリエスキ、そして、7月に開催されたオランダの国際大会ワールドポート・トーナメントでMVPに輝いた22歳の三男ルールデス・グリエル・ジュニアがどんなパフォーマンスを披露するか注目したい。

アルフレド・デスパイネ

オランダはバレンティン、AJ以外の脇役の活躍がポイント

 オランダは2013年のWBC経験者が15名と、国際大会の経験という点から見ても優勝候補の筆頭と言っていい。キューバ・キラーとしても知られる左腕・ディエゴマル・マークウェルを筆頭に、41歳の速球派ロブ・コーデマンズ、MLB通算53勝の右腕ジェイアー・ジャージェンスらバラエティに富んだ投手陣に加え、野手全員がMLB傘下でのプレー経験を持つ。

 ウラディミール・バレンティン(東京ヤクルト)や元東北楽天のアンドルー・ジョーンズらスラッガーが注目されるだろうが、シンシナティ・レッズA級で台頭した22歳の遊撃手カールトン・ダール、柔軟な打撃のシャルロン・スコープ(ボルチモア・オリオールズAAA級)といった脇役の活躍がポイントになるはずだ。

シャルロン・スコープ

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