寺島はヤクルトで大成するか? 高校BIG4は即戦力にあらず、各球団に問われる「育成力」【2016年ドラフト総括・高校生編】
2016年度ドラフト会議も終了。高校生・大学生・社会人の3カテゴリー別に指名された選手を振り返りながら、総括をしたい。高校生編だ。
2016/10/25
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気になるヤクルトの高卒育成力
今年のメンバーで気がかりなのは寺島だ。
寺島が高卒1年目から活躍できるかの議論ではなく、ヤクルトという球団の過去の実績に不安要素がみえるからだ。
以下は、ヤクルトの2016年のローテーションを主に務めた投手だ。
小川 泰弘 26歳
石川 雅規 36歳
杉浦 稔大 24歳
山中 浩史 31歳
デイビーズ
原 樹理 23歳
生え抜きの高卒がいないのが分かると思う。
さらに下記は、ヤクルトのここ10数年の高卒投手の実績だ。
・村中恭兵(05年高校ドラフト1位)
183試合 46勝55敗6ホールド 防4.26
・増渕竜義(06年高校ドラフト1位)
157試合 15勝26敗29ホールド 防4.36 2015年現役引退
・山田弘喜(06年高校ドラフト4位)
出場なし 2010年 戦力外
・由規(07年高校ドラフト1位)
73試合 28勝29敗 防御率3.52 2015年シーズン終了後に育成選手契約、2016年7月に支配下登録に復帰
・赤川克紀(08年ドラフト1位)
76試合 14勝20敗 防4.17 2015年戦力外
・八木亮祐(08年ドラフト2位)
56試合 11勝22敗 防御率4.25(オリックス移籍後も含む) 2016年シーズン途中にトレードでオリックスに移籍
・日高亮(08年ドラフト4位)
86試合 5勝3敗 16ホールド 防4.19 2014年途中 ソフトバンクに移籍 2015年戦力外
・平井諒(09年ドラフト4位)
62試合 4勝4敗1S 9ホールド 2015年シーズン終了後に育成契約、2016年6月に支配下復帰
・田川賢吾(12年ドラフト3位)
出場なし 2016年戦力外
・児山祐斗(2013年ドラフト5位)
出場なし 2016年戦力外
・高橋奎二(2015年ドラフト3位)
出場なし
・ジュリアス(2015年ドラフト4位)
出場なし
決して成績が悪いわけではない。活躍した年があるのだが、村中、増渕、由規、赤川をみれば分かるように、4人に共通するのは、好成績が長く続かず、故障を患っているところだ。しかも、彼らは高卒1年目からデビューを果たしている。
4人以外も、高卒はほとんど台頭していない。今季、村中が復活の兆しを見せ、由規と平井が支配下へ復帰したとはいえ、彼らの力量からすれば、この程度の成績に収まっているほどの選手ではない。
果たして「即戦力」として迎え入れられる寺島が、ヤクルトでどのような野球人生を歩むのだろうか。