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清宮世代の2017年ドラフトは“打高投低”。来春のセンバツ出場が予想される逸材高校生を一挙紹介

第47回明治神宮大会高校の部は履正社(大阪)の優勝で幕を閉じた。これで来春のセンバツ出場の参考となる大会は全て終了。1月末の選考会を経て、出場校が決まる。清宮幸太郎率いる早実の出場は確実視されているが、2017年のセンバツ大会にはどのような選手たちが集まるのか。出場が予想されるドラフト候補をリポートする。

2016/11/17

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上位候補は清宮と履正社の安田。捕手に逸材が並ぶ

 10月2日に開幕した北海道大会を皮切りに全国で開催された地区大会とその優勝チームが集う明治神宮大会も終わり、来春の選抜高校野球の選考に関わる大会は全て終了した。高校野球もしばらくは試合のない冬のトレーニング期間に入ることになる。
 
 ファンにとっては春を待ちわびる季節となるが、そんなファンのために一足早くセンバツ大会への出場が予想されるドラフト候補達について、この秋に行われた全国の地区大会および明治神宮大会を通じて印象に残った選手を紹介したい。
 
 最大の注目選手は、やはり清宮幸太郎(早実高)だ。都大会の決勝では縦のスライダーに苦しみまさかの5打席連続三振を喫したが、その後に行われた明治神宮大会では全試合でヒットを記録し、決勝でもホームランを放つなど大舞台でしっかりと修正してきたのはさすがという他ない。
 
 タイミングをとる動きが小さく、スイング自体もコンパクトだがそれでもヘッドスピードやインパクトの強さは間違いなく超高校級だ。一塁までは流して走ることが多いが、長打ではスピードに乗った走塁を見せており脚力も申し分ない。センバツでも厳しいマークが予想されるが、今の好球必打の姿勢を崩さなければ結果を残す可能性は高いだろう。
 
 清宮と並ぶ大型スラッガーとして期待がかかるのが安田尚憲(履正社高)だ。高校生離れした体格で打席での迫力は尋常ではなく、芯でとらえた時の打球はあっという間に外野の間を抜けていく。明治神宮大会の決勝では高めのストレートを押し込んでライトスタンド中段まで運び、清宮に負けない役者ぶりを見せつけた。タイミングのとり方とスイングの柔らかさに課題は残るものの、長距離打者としての素質には太鼓判が押せる。
 
 現時点で上位候補と呼べるのはこの二人だが、夏までの成長次第で高校から直接プロ入りを狙える選手は他にもおり、特に野手に面白い選手が多い。捕手で候補になりそうなのが松田夏生(盛岡大附高)、尾崎拓海(仙台育英高)、後藤克基(滋賀学園高)、猪田和希(神戸国際大附高)、篠原翔太(報徳学園高)、古賀悠斗(福岡大大濠高)、幸地竜弥(秀岳館高)などだ。
 
 なかでも攻守ともに高いレベルにあるのが猪田、篠原、古賀の三人だ。猪田は地肩の強さと右手で強く押し込める打撃が持ち味で近畿大会ではライトへも一発を放った。
 
 篠原は肩というよりも手首の強さで素早く投げるタイプ。ハンドリングの良さも光る。古賀は握り直す速さとフットワークの良さが抜群。決して大柄ではないがスタンドへ運ぶ力もあり、神宮大会でも2試合で8打数5安打1本塁打と大暴れを見せた。
 
 3人とも旧チームでは他のポジションで出場しており正捕手となったのは新チームからということも共通しており、今後の成長にも期待が持てる。
 
 リードオフマンタイプで名前が挙がるのが安里樹羅(健大高崎)、丸山和郁(前橋育英)、鈴木萌斗(作新学院)の北関東3人だ。
 
 安里は旧チームから不動のセカンドで、チームが掲げるスローガンである“機動破壊”の中心的存在を担う。春まではボールに合わせるようなバッティングが多かったが、夏からは力強さが増してきた。盗塁だけでなく大きいリードや全力疾走で相手にプレッシャーを与えられる。
 
 丸山は170cmと小柄だが、運動能力の高さは抜群。強く振り抜いてセンター中心に鋭く打ち返し、ヒットでも足を緩めずに次の塁を狙う。投手としても140kmを超えるスピードを誇り、センターから見せる強肩も大きな魅力だ。
 
 鈴木は夏の甲子園でも守備固めで度々好プレーを見せた俊足好打の外野手。脚力があるだけでなく、打球に対する判断が素晴らしい。安里と丸山に比べると打撃が少し非力な面が気になるがミートは上手く体のサイズもあるだけにこの冬でのパワーアップに期待したい。
 
 太田英毅、福元悠真(ともに智弁学園高)、西浦颯大(明徳義塾高)の3人は旧チームから中軸で甲子園でもホームランを放っている。三人とも打つだけでなく脚力や肩の強さもあるだけにプロからの評価は高い。他にもショートでの守備が光る西巻賢二(仙台育英高)、嶋谷将平(宇部鴻城高)、新田旬希(市立呉高)や右の長距離打者タイプの飯島大夢(前橋育英高)、東怜央(福岡大大濠高)なども特徴があり注目したい選手たちだ。

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