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浦和学院、花咲徳栄……今年の夏も埼玉はやはり激戦。プロ注目の高校生がズラリ

埼玉県内では4月26日から県大会がスタートする。全校有数の激戦区と言われる埼玉の高校野球だが、今年も逸材が揃っている。

2017/04/27

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ダルビッシュの恩師一推しの逸材

 かつて東北高(東北)や九州国際大附高(福岡)を甲子園準優勝に導き、ダルビッシュ有(現レンジャーズ)ら多くのプロ選手も育ててきた若生正廣監督。その名将が嬉々として語る。
 
「すごい投手に共通していると私が思うのは、ど真ん中でも押せるストレートを投げているかどうか。そういう投手はブルペンの捕手側で投球練習を見ていると、指先でパチンってボールを切る音が聞こえるんです。ダルビッシュがそうだったし、あとは高井(雄平=現ヤクルト)と後藤(伸也=元横浜)。そして最近、4人目に出会ったんですよ」
 
 逸材の名は米倉貫太。現在、若生監督が指揮を執っている埼玉栄高の2年生エース右腕だ。
 
 福岡県うきは市出身で、浮羽ボーイズに所属した中3の夏には県選抜メンバーに選出された。180センチを超える長身、柔らかくバランスの取れた投球フォーム、球速140キロを誇るストレートの伸び……。高校野球関係者からは引く手あまただったが、選んだのは遠く埼玉の地。その理由については「昔からダルビッシュ投手が目標で、下半身の使い方なども参考にしてきた。自分も(若生)監督さんの指導を受けて、日本一の投手になりたいと思った」と言う。
 
 実はまだ、十分な実績を残せてはいない。1年夏に登板を重ねて県16強入りも、エースナンバーを背負った昨秋、今春とまさかの地区予選敗退。いずれも先発したわけではないが、「悪い流れを止められなかった。チームを勝たせる投球をしなければいけない」と米倉は反省する。
 
 とは言え、大きな成長も実感している。若生監督はストレッチと体力トレーニングを重視し、肩関節や股関節の柔軟性と筋力の強化をバランスよく求める方針。そんな日々の鍛錬に加え、昨年10月からは週1回ペースで、名門でもある同校相撲部の練習へ参加してトレーニングを積んでいる。身長は現在184センチだが、78キロだった体重は冬場だけで身が詰まって5キロ増。お尻や太腿もひと回り大きくなり、フォームが安定するようになった。球速も推定ながら140キロ台後半。すでに多くのプロのスカウトが注目している。
 
 米倉も含め、埼玉県内では現2年生にスター候補が多い。浦和学院で1年春から経験を積むエース左腕の佐野涼弥と主砲の蛭間拓哉。花咲徳栄の四番に座り、投げても140キロ台をマークする野村佑希。中学時代にU15日本代表入りした春日部共栄の大型左腕・渡部太陽……彼らが3年生となる来夏は第100回記念大会として代表校が2枠に増えることもあり、全国舞台での活躍が大いに期待される。

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