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早実・清宮はプロ入りすべきか? 成長続ける怪物に適切な進路は…【小宮山悟の眼】

春季高校野球東京都大会決勝が4月27日に神宮球場で行われ、早稲田実が日大三を下した。同試合で2本塁打をマークした早実の清宮幸太郎選手は、プロへ進むのか、もしくは大学進学やメジャー挑戦になるのかと、注目している人が多いだろう。小宮山悟氏に、清宮の進路に関してどう考えているのかを訊ねてみた。

2017/05/02

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記録塗り替えを目標に大学進学することで成長できる

 そんな彼の今後の進路について、様々な意見がされている。
 
 即プロに行くのか、大学を経由するのか、それともメジャー挑戦の道を選ぶのか。1番の理想的な進路は大学に進むことだろう。
 
 早大に進学して、4年間で東京六大学野球のすべての記録を塗り替える。例えば、高橋由伸氏(現巨人監督)が慶大時代に記録した本塁打記録(23本)や岡田彰布氏が記録した通算最高打率(.379)、シーズン最高打率などもある。すべての記録を塗り替えてプロに行くという目標をもって大学でプレーすべきだ。
 
 そのあと、プロに行って4、5年でアメリカに行けるという確約をもらって、アメリカでプレー。数年の活躍の後、最後は日本でプレーして終えるというのが理想的な野球人生の歩み方だ。
 
 もちろん早期のメジャー挑戦は現実的ではない。ただ身体が大きい選手という扱い方しかされない可能性が高い。すぐにはメジャーには上がれないから、マイナーで2、3年は研鑽を積むことになる。
 
 MLBはマイナーで試合に出続けて勉強してからではないとメジャーに上がることができない。さらにいえば打てるようになる保障があるわけでもない。そう考えると、早い段階でのメジャー挑戦は一番危険な選択だ。
 
 大学に進学して、東京六大学の記録というのが目の前にある。それを塗り替えるという目標が、彼を成長させるのではないか。本人がメジャーに行きたいといっても、心を鬼にして説得すべきだ。
 
 まだ夏の大会もある。彼は高校1年の時にU-18日本代表を経験している。あの時にレベルの高さを痛感しているはずだから、最終学年になった自分とあの時の3年生と比較しながら成長していってもらいたい。
 
 バッティングに関してはほとんど欠点が見当たらない。全力疾走をしないなどの課題もあるようだが、それは自分が痛い目に合わないと分からないことだろうから、そうなって気づいたらいい。
 
 いずれにせよ、日大三との決勝戦は2万人の観客を集めた。これだけのことはアマチュアの野球では信じられないこと、これで夏の大会も相当に盛り上がるだろう。

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