【甲子園速報】星稜、福本陽生のサヨナラ3ランで決着 奥川恭伸は14回23K1失点の圧巻投球、智弁和歌山・池田は一球に泣く
2019/08/17
<第11日 第2試合 3回戦 ○星稜 4―1 智弁和歌山●>(17日、阪神甲子園球場)
第101回全国高校野球選手権大会は17日に11日目を迎え、第2試合は“BIG4”の一角・奥川恭伸(3年)擁する星稜(石川)と5季連続甲子園の智弁和歌山(和歌山)が対戦。延長14回にわたる熱戦を、星稜が福本陽生(3年)のサヨナラ3ランで決め、4-1で勝利した。
先制したのは星稜だった。4回、先頭の福本が安打で出塁すると、岡田大響(3年)の犠打、大高正寛(3年)の安打で1死一、三塁のチャンスを作る。さらに智弁和歌山の先発・小林樹斗(2年)の暴投で二、三塁とすると、9番・山瀬慎之助(3年)がセンターへ犠飛を放ち先手を取る。
しかし6回、1死から三塁手・知田爽汰(2年)の悪送球で綾原創太(2年)に出塁を許すと、2死としてから奥川も細川凌平(2年)に死球を与え、2死一、二塁とこの日初めて得点圏の走者を背負う。
智弁和歌山はこのワンチャンスをいかし、3番・西川晋太郎(3年)がライトへ適時打を放ち同点とし、今大会ナンバーワン右腕から1点をもぎ取った。土壇場で勝負強さを発揮した智弁和歌山は、裏の守りからエース池田陽佑(3年)を投入し、星稜打線に反撃の隙を与えなかった。
一方、星稜のエース奥川も集中力を切らさない。9回まで強力打線が売りの智弁和歌山を3安打、無四球(与死球2)に抑える快投。延長戦に入っても、高い制球力で智弁和歌山を翻弄した。11回には左翼手・有松和輝(3年)がダイビングキャッチするなど、バックも堅い守備で奥川の投球を盛り立てた。
両チームともに相手エースの好投でチャンスを作ることができず、試合は延長13回に突入。「タイブレーク制」により、無死一、二塁から攻撃が始まる。
奥川の前に6回以降、得点圏に走者を置くことができなかった智弁和歌山にとっては、大きなチャンス。智弁和歌山ベンチは、先頭打者の作戦に送りバントを選択したが、奥川の速球に押され、三塁フォースアウトとなり進塁に失敗する。さらに続く2人を奥川が連続三振に斬って取り、無死一、二塁でも得点を挙げられなかった。
一方、星稜打線も先頭の送りバントに失敗。続く打者も左翌ファウルフライ、三ゴロに倒れ、無得点に終わった。
延長14回、再び無死一、二塁を背負った奥川は、この回も先頭打者の送りバントを、自身の好フィールディングで阻止。続く打者は遊ゴロ併殺崩れとなり、2死ながら走者一、三塁となる。このピンチを1球で中飛に打ち取り、この回も無失点で切り抜けた。
14回裏、先頭打者は奥川。1ボールからバスターでファウルするなど揺さぶりをかけたが、ここもバントで進塁させることができず三塁フォースアウト。1死一、二塁となって6番・福本が打席に入る。福本は2球目の甘く入ったスライダーを振り抜くと、左中間スタンドに飛び込むサヨナラ3ラン。14回を1人で投げきるエースに勝利をプレゼントした。
奥川はこの日、14回(165球)を投げ、被安打3、与四死球3、奪三振23、失点1の内容で、タイブレークにもつれ込む熱戦に投げ勝った。
また、対する智弁和歌山の池田も、8回1/3(88球)を5安打に抑えたが、一球の失投で試合を決められた。