【MLB】最新技術Statcastで判明した、イチローが今季トップの数字
打球の角度から守備時の走行ルートまですべてをデータ化してしまうMLBの新システムStatcast。この最新技術によって今シーズン、イチローがあるランキングにおいてトップに立っていることがわかった。
2015/09/27
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イチローがダントツ1位の数字とは
走塁、そして打撃多くの面で衰えが顕著になっているイチローだが、ある数値ではいまだ恐るべき成績を残していることがStatcastにより発見された。それが一塁走者時のリードの大きさである。
この点においてイチローは今季全メジャーリーガー中トップとなる13.131(feet)を記録。これは2位のチャーリー・ブラックモンを約7インチ引き離すダントツの好成績だ。記事では「異常なイチローの成績の中でも最も驚くべきデータかもしれない」とまで称されている。
リードの距離はベースランニングのスピードと高い相関関係があり、一般的に足の速いランナーほど大きなリードを取れるとされている。そんな中で平均レベルの走力しか持たないイチローがこれだけ大きなリードを取れるのは、驚異的なことだ。記事ではこの理由をこれまでの経験と常に最善を尽くすプレースタイルゆえと考えている。
His physical skills are much diminished, but he’s still making the most of whatever talent remains. And that’s why it almost makes sense that Miami would consider bringing him back, despite his ugly on-base and slugging: Even at 42, Ichiro’s wizardry won’t have worn off.
イチローの身体的な能力は大きく衰えてきているが、彼はいまだに自分の中に残る才能でも最大限に活用している。そしてこれがマーリンズで醜い出塁率と長打率にも関わらずイチローと来季も契約しようと考える理由だ。42歳になってもイチローの魔法が弱まることはないだろう。
今季は打率.237,OPS.581と打撃低迷し、記事中で「最悪のレギュラー選手の1人」とまで言われているイチローだが、その経験とプレーへのひたむきさはメジャー15年目となる今季もいかんなく発揮されており、その姿はチームの若手選手たちに好影響を与えている。イチローの魔法が健在である限り、これからもチームにとって価値のある選手であり続けるだろう。
出典:The Need for Lead: What Statcast Teaches Us About Baserunning … and Ichiro by Ben Lindbergh in GRANTLAND on Sep.22 2015