【MLB】データ解析で判明。球審のストライク・ボール判定は左打ちに不利?
『左打ちだとファーストに近い』という理由で、もともと右利きの選手が左打者になる実例は多く見られる。しかしこの左打者優位論を打ち消すようなデータがメジャーで今、話題になっている。
2015/09/28
Getty Images
これまでの常識は、「左打ち選手は有利」
左打者に対する外角のボールをかなりの確率でMLBの球審がストライクと判定しやすい、というデータが『ESPN』の解析で明らかになり、バスター・オルニー氏の記事やポッドキャストで発表された。
左打ちの打者が野球で優位であることは従来からの常識である。
一般的に左打ちの選手は一塁に近く、スイングした後、自然な姿勢でファーストに走ることができるからである。
タイ・カッブ、ベーブ・ルース、トニー・グエン、テッド・ウィリアムズ、ケン・グリフィー・ジュニア、ラファエル・パルメイロは、すべて左打ち選手だった。世界で最も美しいスイングで知られる選手たちである。
ところが、『ESPN』の野球記者バスター・オルニー氏によると、左打ちだから有利、というわけではないと指摘する。
But as more accurate technology for assessing baseball’s strike zone becomes available, it’s becoming increasing evident that left-handed hitters are at significant disadvantage when it comes to the ball-strike interpretation of umpires.
しかし、野球のストライクゾーンを機械的に判定するテクノロジーの進歩により、球審のストライク・ボール判定がいかに左打者に不利であるかが判明されてきた。
「ESPN Baseball Tonight with Buster Olney」(ポッドキャスト)によると、実はこの話、8月22日にカージナルスのマット・カーペンター選手(左打ち)が、明らかな外角のボールで見送り三振となり、球審に抗議をして退場処分になったことから始まった。
コンピュータでストライクゾーンを自動判定しているESPNのデータによると、ボールをストライクと判定された確率の最も高い現役選手がカーペンター選手(14%)で、その話をするとある専門家が、「左打者だから仕方がない。キャッチャーはすべてミットを左手にしているから外角のボールを瞬間的にホームプレート上に動かし、あたかもゾーンに入ったように見せかける動作(いわゆる「フレーミング」)がしやすいんだ」と言ったそうだ。