【MLB】イチロー、再契約で開かれた3000安打への道。第4の外野手として険しい残り65本
マーリンズは異例の速さで来季イチローとの契約を発表した。来季達成する可能性が高いMLB通算3000本安打に期待するだけでなく、野球に対する真摯な取り組み、若手への模範的姿勢が評価された恰好だ。
2015/10/08
Getty Images
残り65本、決して平坦な道のりではない
そして22日には42歳の誕生日を迎える。
とてもじゃないが、メジャー契約など期待できない立場のはずだったのだ。マーリンズとの再契約がなければ、他29球団とのメジャー契約は絶望的だったであろう。
もちろん、マーリンズとて単純な戦力として期待しているわけではない。サムソン社長は「第4の外野手という立場は変わらない。プレーオフを狙うチームには、得点力の高い選手をベンチに置いておく必要がある」とした。
加えて「彼の能力、そしてコミュニケーション。それがクラブハウスだけでなく、球団全体の力になる」と絶賛。チームはまだ若い。イチローの練習態度や試合に臨む姿勢。そして、野球に対する衰えない情熱が、必ずやチームの助けになると強調した。
閉ざされかねなかった3000安打というマイルストーンへの扉は、これではっきり開かれた。あと65本。もっとも控えとしての起用ではハードルが低いとは言えない。
今季の91安打は、ジャンカルロ・スタントンやクリスチャン・イエリチの故障による長期離脱。またマーセル・オズナの3A降格といった、周辺の状況によって生まれたものだ。
少ないチャンスをモノにする集中力。はたまた流れを呼び込む運。いくつもの要素が絡まって、初めて到達できる。
安泰ではない。でもいよいよはっきりと、イチローが手にすべき最後の勲章が見えてきた。