田中も打席で負傷。故障回避優先か、本来のベースボールの姿か? ナ・リーグ、DH制導入の是非
21日、ロブ・マンフレッド・コミッショナーは、早ければ2017年シーズンにもDH制が導入される可能性に言及した。
2016/01/25
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DH導入反対の意見は?
対する反対派の重鎮は、フィリーズのデービッド・モンゴメリー・オーナー。30年以上前からチームを持つ名物オーナーは「本来のベースボールの姿に留まるべきだ」と話す。過去、何度も導入か否かが議論されるたびに、導入派をねじ伏せてきた。
2年連続シルバースラッガー賞受賞中のジャイアンツの強打のエース、マディソン・バムガーナーもその一人。昨季は打率.247、5本塁打、9打点の成績を残し「投手がたまに安打を打つから野球は面白いんじゃないか。それが本来の姿であり、魅力の一つ」と続ける。
DH(指名打者)制は1973年からア・リーグで導入された。同年4月6日、ヤンキースタジアムでのレッドソックス戦。ヤンキースの6番ロン・ブルームバーグが史上初のDHとして打席に立った。前年の72年は、メジャー全体の平均打率が.244と低迷。投球技術の発達により得点力低下が顕著でファン離れが深刻だった。より得点が生まれスリリングな試合を、と望んだオーナー陣が「特効薬」と期待して採用した。
今回各メディアで議論が盛り上がっているのは、現在のメジャー労使協定が2016年シーズン後に期限を迎えることが大きな理由の一つ。大手メディアではファンへの「世論調査」を行うサイトも散見されるが、半数から3分の2以上のファンが、ナ・リーグへのDH制導入を支持している。
DH制はただ投手を守るだけでなく、選手寿命を延ばすことにもつながる。ベテラン選手の多くは、肩や足が衰えることやケガを抱えることでDHに回ることが多い。一方で「強打の投手」というのは時代ごとに存在して、彼らの系譜を途切れさせることに否定的なオールドファンも確かに存在する。
現在は二刀流を貫き、将来のメジャー挑戦は決定的と見られている日本ハムの大谷翔平。メジャー挑戦の際には二刀流続行か、投手専念かが議論の的だが、近い将来にはその議論そのものが不要のものとなっているかもしれない。