【MLB】暗黙のルールにメス、今季より殺人スライディング一部制限へ。過去に岩村や西岡、姜らが犠牲
ESPNの名物記者が「二塁へのスライディングに関する新ルールが、労使間で合意間近」と報じた。
2016/02/10
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早ければ今季から適応に
ベースボールの歩みは止まらない。ESPNの名物記者バスター・オルニー氏は、8日の記事で「二塁へのスライディングに関する新ルールが、労使間で合意間近」と報じた。多くの選手を犠牲としてきた殺人スライディングが、今季開幕前にも一部制限される可能性が高まってきた。
いわゆる併殺崩し。昨季終盤にはパイレーツの姜正浩、メッツのルーベン・テハダと立て続けに有望選手が大ケガを負い、あり方が注目を集めていた。
オルニー氏によると大リーグ機構と大リーグ選手会の両者は、二遊間の選手を守る必要があると意見は一致。新ルールでは、走者はスライディングの際に二塁ベースに触れるか、その意思をプレーで示す必要があるという条項を盛り込む方向だ。選手会はただ選手を守るためだけではないという立場で、野手に触れてはいけないなどの規制は設けない。
姜正浩、テハダが削られたプレーでは、走者は二塁ベースからはるか離れた位置にいる野手めがけ滑り込んでいた。プレーオフでテハダを削ったドジャースのチェース・アットリーには、2試合の出場停止処分が科された。
アットリーには非難が殺到した一方で、こうした併殺崩しの殺人スライディングは、大リーグでは暗黙の了解としてプレーの一部分とされてきた歴史もある。過去のケースと照らし合わせ「アットリーは勝利のためにすべきプレーを行っただけ」と擁護する声も数多くあった。
もちろん故障させるために滑り込むわけではなく、相手野手に併殺を諦めさせるためにハードに滑る、というのが擁護派の主張だ。微妙なタイミングでは野手に併殺を諦めさせ、送球せず避けることに専念せよというわけだ。