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【アメリカの眼】5年間で10キロ球速低下も「あまり気にしていない」 エンゼルスエース右腕、復活なるか

エンゼルスのエース、ジェレッド・ウィーバーの球速低下が深刻だ。前回登板では、速球が130km/hに満たない異常事態に陥った。しかし本人は「100km/h以下でも狙ったところに投げられれば打者を打ち取れる」と豪語する。

2016/03/12

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コントロールさえしっかりできればというが……

 ちなみにナックルボーラーを除いた、2015年の先発投手の球速ランキングでは、ウィーバーは技巧派左腕のマーク・バーリーに次ぐメジャーワースト2位となっている。
 
 球速低下に苦しみながらも、14年までは持ち前の制球力や球の見えづらい投球フォームを武器に、成績を残してきたウィーバー。しかし、さすがに昨年はごまかしきれなくなったのか、7勝12敗と9年続けてきた二ケタ勝利がストップ。防御率も自己ワーストの4.64と低迷した。
 
 今オフは速球のノビを取り戻すため厳しいトレーニングを積んだという。しかしその効果は今のところ見えていない。本人もトレーニングの成果については、「明らかに失望している」と語る一方で、球速低下への問題意識はあまり高くないようだ。
 
“I was getting wins throwing 79 miles an hour last year, so I’m not really worried about it.”
「昨年は79mph(126km/h)しか出ていないのに勝った試合もあった。(球速の低下については)あまり心配していないよ」
 
 炎上の原因については、コントロールが悪かったことをあげ、自身の登板について「思った通りのところに投げられなかった。球が高めに浮いてしまったし、ボールのキレもなかった」と振り返っている。
 
 過去にも130km/hの”遅球”ながら制球力や投球術を武器に活躍した選手は少なからず存在した。チェンジアップと投球術を武器に活躍し、「名前を隠して入団テストを受けたら間違いなく落とされるだろう」と言われたジェイミー・モイヤー、技巧派投手の最高峰として知られるグレッグ・マダックスらがその代表例だ。もともと制球力には定評のあるウィーバーだけに今後彼らのようなキャリアを歩む可能性もゼロではない。
 
「もし自分の思うところに完璧にコントロールできさえすれば、60mph(96km/h)しか出なくても打者を打ち取れる」と豪語するウィーバー。技巧派投手として新たな姿を見せるのか、はたまた快速球を復活させ本格派としてカムバックを果たすのか。コントラクトイヤーとなる今シーズン、通算138勝の右腕は、どんなピッチングを見せてくれるのだろうか。
 
 
出典:Weaver: Location more concerning than velo by Alden Gonzalez in MLB.com on Mar.9 2016

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