【MLB】3000本へ限られた出場機会で安打を積み重ねるイチロー。指揮官は起用に消極的、立場変わらず
今季も立場は「第4の外野手」。指揮官はイチローの起用に積極的ではない。
2016/04/23
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昨年と置かれた環境は変わらず
だが、実は置かれた環境や起用法は、昨年とは全く変わっていなかった。昨季、結果的に153試合に出場したことは、周囲の離脱という外的環境によるものにすぎない。
マーリンズの外野手トリオでは、ここまでは左翼のクリスチャン・イエリッチが打率.370、1本塁打、5打点、1盗塁と元気。ただ、病み上がりの右翼のジャンカルロ・スタントンは打率.224、3本塁打、10打点とスロースタート。中堅のマーセル・オズナは2本塁打、7打点の一方で、打率2割ちょうど。弱点を他球団に研究され、昨季の不振からまだ抜け出せていない。
仮にスランプが長引けば、リフレッシュ目的の休養日が増え、彼らの休みの日にイチローの出番が巡ってくるかもしれない。それでも、故障などによる長期離脱なくして、五体満足な状態の彼らを押さえてイチローが連日スタメン出場することはありえない。
そこには年俸の高い選手や、将来性のある若手を優先する、絶対に超えられない壁が存在する。
よくも悪くも「他人次第」の立場なのだ。イチローが出場機会を増やし、安打を量産するには、チームメイトの離脱が必要不可欠な条件の一つになっている。
昨季はそこから4月に15安打、5月は18安打を積み上げた。6月以降失速したが、8月には昨季最多の24安打で盛り返した。チャンスはいつ訪れるのかわからない。そして、イチローは「その時」への準備を怠ることだけは決してない。