大谷翔平選手をはじめとした日本人メジャーリーガーを中心にメジャーリーグ・日本プロ野球はもちろん、社会人・大学・高校野球まで幅広いカテゴリーの情報を、多角的な視点で発信する野球専門メディアです。世界的に注目されている情報を数多く発信しています。ベースボールチャンネル



侍ジャパンが1位! もうひとつのWBC「プレミア12」が2015年に開催。着々と進むMLBの世界戦略【豊浦彰太郎のMLB on the Web】

世界野球ソフトボール連盟(WBSC)発表の最新のランキングで、侍ジャパンは第1位となった。WBCの谷間の年に2015年から導入される「プレミア12」での戦いぶりに期待が高まる。

2014/12/02

text By

photo

Getty Images



プレミア12はどうして誕生したのか?

 最後に、プレミア12が誕生した背景をお伝えしておこう。2008年の北京五輪を最後に野球が実施種目から外れたことにより、IBAFはIOC(国際オリンピック連盟)から補助金を受け取れなくなり深刻な財政難に陥った。

 そんな中、2011年12月にテキサス州ダラスで開催された会議で、MLBはIBAFにワールドカップの廃止とともにWBCを「世界一決定戦」と認定することを決定させた。WBCは、MLBという単一国の運営機構だけでなく国際連盟から認定されるイベントとなったわけだ。これにより、IBAFに対してMLBは強い影響力を持つことになったと言えよう。

 またこの時、WBC中間年の2015年から4年に一度の開催が決まったのがプレミア12だった。

 さらに、16歳から18歳によるAAA世界野球選手権も2015年から「U-18ワールド・ベースボール・クラシック」となり(当初は2013年からの予定だったが延期された)、16歳以下によるAA世界選手権は廃止され、2012年から15歳以下による「15U世界野球選手権」となった(ただし、第1回は開催国のメキシコの治安の問題で日本は選手派遣を見合わせた)。

 加えて、2013年にはU-12が2014年にはU-21がスタートした。2004年から開催されている女子ワールドカップも含め、WBCを頂点とするMLBが手掛ける野球普及イベントのヒエラルキーが形の上では完成したのだ。

 五輪から野球(とソフトボール)が排除されたのは、MLBがスター選手を派遣しないことが影響しているが、MLBは独自の路線で着々と世界戦略を進めつつある。

出典:”World’s Top 12 nations revealed for first-ever ‘Premier 12’ World Baseball Championship”by WBSC in Nov. 26th 2014

1 2