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【MLB】アストロズに必要だった青木宣親。それでも米メディアは新たな外野手獲得に言及

今季、シアトル・マリナーズでプレーしていた青木宣親は、ヒューストン・アストロズに移籍することとなった。広角に打ち分ける技術、優れたバットコントロールは健在である。また経験豊富なベテランとして、地元でも期待が高まっている。

2016/11/06

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アストロズに欠けていたもの

 今季、シアトル・マリナーズに所属していた青木宣親は、ウェーバー公示を経て、ヒューストン・アストロズへ移籍することとなった。

 今シーズンの青木の成績は、118試合、打率.283、118安打、4本塁打、28打点、7盗塁という成績であった。盗塁の数は減少したが、打席数に対する三振の割合(467打席で45三振)は依然低く、実力は健在であることを示した。
 しかし、前半戦の不調の影響からか、後半戦も出場が限られる場面が多く、最終成績は例年と遜色ないものであったが、結果としてマリナーズから放出されることとなった。

 そして、左打者が不足しているヒューストン・アストロズがウェーバー公示されていた青木の獲得を決めた。

 『chron.com』のジェイク・カプラン記者によるとアストロズが青木を獲得した理由として、8月以降の青木は打率.355、OPSは.925を記録、メジャー5年間で安定して.280以上打っていること、外野は3つのポジションを経験してること、そしてメジャートップクラスの低い三振率が決め手だったという。

 さらにカプラン記者によるとアストロズは2年前から青木の獲得を狙っていた経緯があり、その時は結果的にジャイアンツと契約したが、アストロズとしては2年越しの願いが実った形となった。

 アストロズのジェフ・ルノーGMは同記事ならびにヒューストンの地元紙の『CBS Houston』で以下のようにコメントをしている。
“If you think about our team construction going into next year, we’re very heavily right-handed. We’ve got a lot of power guys but they do tend to strike out some, so getting somebody that is a different look in the lineup, both from the different side and also just a different style, I think could really lengthen our lineup and give (manager A.J. Hinch) a lot of options.”
来季のチーム構成を考えてみると、我々の打線はかなり右打者が多くなっていることが分かる。我々は多くのパワーヒッターを獲得してきたが、彼らの欠点として彼らは三振率がとても高い傾向にある。なので、ラインナップに左打者で、違うタイプの新たな選手を獲得した。青木の獲得によって、オーダーを組む際のオプションが増えることにもなる。

“(He) sprays the ball, and really gets on-base, and runs well, seems to be a very complementary piece being left-handed and a contract guy to our righted-heavy power lineup.”
彼は広角に打ち分けることができ、よく出塁し、走塁も良い。また、アストロズが契約している重量級の右打者たちに対して、青木のような左打者は非常に良い補強となるように感じている(『CBS Houston』)

 新天地では、重量級の右打者が多いアストロズで、青木のような左のアベレージヒッターが役割を果たすことを期待されている。
 さらにルノーGMは「チャンピオンシップを戦ったチームでの確かな経験を持っている。彼は私たちが持っていないタイプの人間を補完してくれるような男だ」と話しており、単に打者としての実力だけでなく、2014年、ロイヤルズ時代にワールドシリーズを戦い抜いた経験も評価されている。
 経験豊富なベテランに対するチームや地元の期待は大きくなっており、退団した左打者のコルビー・ラスマスに代わるような働きを期待されている。

 ラスマスと打撃タイプは異なるが、チームに不足している貴重な左打者として、存在感を発揮したいところだ。

 MLB移籍後の青木は、日本時代のように遜色なく広角に打ち分け、高い出塁率を維持している。

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