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【MLB】イチローの2016年、出塁率の高さと勝負強さ目立つも後半戦が最大の課題。「第4の外野手」がベストか

イチローの2016年の成績を振り返ってみると、ベテランながら、変わらず高いレベルでプレーできていることがわかる。

2016/12/27

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盗塁成功率の高さは変わらず

 イチローが2016年に記録した打率.291と出塁率.354は、300打席以上の268選手中、50位と67位タイに位置する。どちらの数値も順位も、なかなかのものだ。
 
 もちろん、全盛期と比べれば見劣りがする。メジャー最初の10年間のトータルは打率.331と出塁率.376。3000打席以上の204選手のなかで、打率はアルバート・プホルス(当時セントルイス・カージナルス/現ロサンゼルス・エンゼルス)と僅差の2位、出塁率は35位だった。ただ、2016年の打率と出塁率は、準レギュラーあるいは控え選手としては、非常に優れている。300打席以上かつ規定打席未満の122選手で見ると、打率は9位、出塁率は16位に位置し、いずれも上位15%に入っている。
 
 パワーに関しては、3年連続1本塁打が示すように、かなり低い。ISO(長打率-打率).086は300打席以上のワースト14位、300打席以上かつ規定打席未満のワースト12位だ。とはいえ、イチローはこれまでも、パワーを売りにしてきたわけではなかった。2005年は15本塁打ながら、この年は114選手が16本塁打以上を放った。
 
 一方、盗塁成功率の高さは変わっていない。2016年は10盗塁と2盗塁死(うち1度はピックオフ)で、成功率は83.3%だった。これは盗塁試行(盗塁+盗塁死)10度以上の166選手中14位タイだ。自身がメジャー最初の10年間に記録した成功率81.3%(383盗塁/88盗塁死)を上回る。盗塁を試みる回数が減っているのは、衰えによるものではなく、出場機会の減少に伴い、盗塁すべき場面も少なくなったためと思われる。
 
 打率や出塁率と同じく、守備も全盛期ほどではないものの、決して悪くなかった。イチローは2003~10年に外野手2位のDRS(守備防御点)+78(平均+9.75)、2002~10年に3位のUZR+109.9(平均+12.2)を記録した(DRSは2003年~/UZRは2002年~)。それに対し、2016年はDRS+6とUZR+3.5だった。これらは500イニング以上で外野を守った105選手の26位タイと35位タイ。そこから1000イニング未満の60選手に絞ると、13位タイと15位タイだ。

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