【MLB】ヤンキース田中は、オプトアウト行使と地元紙。「田中の活躍は2018年のチームを困難なものに」
3年目にしてエース級の成績を残した田中。今季も同様の活躍が期待されるが、オプトアウト確実な田中が好成績を残すことは、再契約にかかる費用が増大することも意味し、チームにとっては痛し痒しとなりそうだ。
2017/01/05
Getty Images
チームは再建期
FAイヤーのヒルは今シーズン、アスレチックスとドジャースで投げ、計20試合に先発し12勝5敗、防御率2.12、WHIP1.00と素晴らしいピッチングを見せた。シーズン終了後、ドジャースは来年3月に37歳になるヒルと3年4800万ドルで再契約することを選択。田中も健康が不安視される投手だが、ヒルの稼働率の低さは田中の比ではない。05年のメジャーデビュー以来100イニングを上回ったのは今季含めて2度だけだ。
そのヒルがこれだけの額の契約を得られたことから、田中とヒルの年齢差や田中の過去3年間の成績を考えれば、「今季再び怪我や、中4日で満足な成績が残せないことが露呈しても」3年6700万ドルを超えることは確実と見ている。また田中が2017年も前年を超える成績を残した場合、その契約規模は5年か6年になることを予想している。
ヤンキースは現在再建期にあり、昨夏にはアロルディス・チャップマンやアンドリュー・ミラー、カルロス・ベルトランといった主力選手を放出し、見返りに将来のチームを担う若手有望株を多く得た。一方で、現在のメジャーチーム、特にローテーションは脆弱。若手投手のブレイクがなければ、陣容は非常に苦しくなる。
若手のブレイクが続き、田中との再契約が必要ないだけの陣容が作れればヤンキースにとっては最高の形だ。しかし若手が結果を残せず、田中が好成績を残した場合、ヤンキースとしては田中と長期の再契約を結ぶことも視野にいれなければならない。前述のとおり、田中との再契約は5年以上になることが濃厚で、これを結べば長期契約で固まってしまったロースターを、フレキシビリティの高いもの作り替えるというチームの現時点での目標とは、反対の動きになってしまう。
記事では田中やリーグトップの奪三振率を記録するなど、部分的にエースの素質を見せるマイケル・ピネダとの再契約という選択肢を含め、次代のエースを誰に託すか決断する必要があるとしている。
Also, as opposed to this offseason, next winter promises a stronger free-agent class with Jake Arrieta, Yu Darvish, Danny Duffy, Chris Tillman and Johnny Cueto (should Cueto opt out of his contract). Also, we will see whether or not Japanese star Shohei Otani tries to come to MLB.
今オフとは対照的に、2017年のオフシーズンにはジェイク・アリエッタやダルビッシュ有、ダニー・ダフィー、クリス・ティルマン、オプトアウトの権利を持つジョニー・クエトら優秀な名前が揃うことが約束されている。また日本人スターである大谷翔平がMLBへ来ることを選ぶかを見守る必要もある。
ここまではヤンキースがシーズンにおいて好成績を残していた場合の話。一方でヤンキースがプレーオフ争いから脱落するようなことがあれば、田中をシーズン途中でトレードしてさらにマイナーを強固にするだろうと見ている。
活躍すれば田中と再契約するのに必要なコストが高くなり、将来のチーム作りに影響を及ぼす。逆に活躍出来なければ、高確率でチームは今シーズンのプレーオフを逃し、田中をトレードに出す際の見返りも少なくなる。どちらにしてもヤンキースにとっては痛し痒しだ。
こうした点から、記事は「長期的な出費のことさえ考えなければ、2017年もヤンキースは偉大な田中を必要とする」と結ばれている。メジャー4年目のシーズン、田中将大は帝国の再建にどのように関わっていくのだろうか。
出典:Masahiro Tanaka’s ace-like 2017 would put Yankees in a bind by Joel Sherman in NEW YORK POST on Jan.3 2017