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【MLB】田澤、上原……ブルペン陣の充実こそ世界一への近道。年々高まるリリーフ投手の価値

ここ数年、世界一をつかみとったチームの投手陣を見てみると、リリーフ陣の充実があげられる。

2017/01/06

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年々減り続ける先発投手の投球回数

 昨シーズン、19年ぶりにワールドシリーズに進出したクリーブランド・インディアンズ。
 惜しくもワールドチャンピオンは逃したものの、フランシスコ・リンドーアを中心に、多くの若手が台頭。年俸総額においては2倍以上を誇るカブスを相手に、球史に残る熱戦を演じた。

 その中で大車輪の活躍を見せたのが、アンドリュー・ミラーをはじめとするメジャー屈指のブルペン陣。名将テリー・フランコーナ監督が繰り出す絶妙な継投策で、強打カブス打線を見事に抑え込んだ。

 また、カブスの剛腕クローザー、アロルデス・チャップマン(現ヤンキース)も100マイル越えを連発。『マドン監督の起用法には不満を抱いていた』とコメントしたものの、要所要所でインディアンズの反撃を食い止めた。

 2016年のワールドシリーズは、ブルペンワーク(継投策)に大きな注目が集まったシリーズでもあった。

 そんな状況の中、『Sports Illustrated』 のトム・バーダッチ記者は、How much more will bullpens take over the game ?(リリーフ投手たちは(今年も)どのぐらい投げるのだろうか?)と題し、近年のリリーフ投手の重要性や、登板状況を報じている。

So don’t look for closers getting six-out saves. But what you can look for are more and more relievers picking up more and more innings. Managers last season set all-time records for relievers used (590), pitching changes (15,307), relief innings (15,892 2/3) and relief wins (799).
クローザーに、『6アウトセーブ(2イニング以上投げて試合を締めること)』を期待してはいけない。一方、(MLB全球団の監督たちによって)今後さらに多くのリリーフ投手たちが起用され、さらに多くのイニングを投げることだろう。昨シーズン総じて、新記録となるリリーフ投手の起用人数(590人)、投手交代の回数(15,307回)、リリーフ投手のイニング数(15,892回 2/3)、リリーフ投手の勝利数(799勝)をマークした。

 ワールドシリーズだけではなく、レギュラーシーズンにおいても、リリーフ投手が大きな役割を果たしたことがわかる数字だ。

 同記事内では、ここ6年間で『先発投手が打者3巡目まで投げた回数』を掲載している。

2011年:33,837回
2012年:32,094回
2013年:32,232回
2014年:32,589回
2015年:30,820回
2016年:29,240回

 先発投手の球速が落ちる前に、そして相手打線が先発投手を攻略する前に、リリーフ投手をマウンドに投入するのが近年のトレンドと言える。

 バーダッチ記者は、先発が多くのイニングを投げることをthe good old days(古き良き時代)と評しているように、球界のトレンドが変わりつつあるのは間違いないようだ。

 青木が所属していた頃のロイヤルズ(2014年)から、このトレンドが顕著になったとも言える。ヘレーラ、デービス、ホランドといった強力リリーフ陣を擁し、2015年に見事世界一に上り詰めた。

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