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田澤純一も申請したMLB年俸調停制度 NPBとは違う、明確な裁定【豊浦彰太郎のMLB on the Web】

田澤純一が年俸調停を申請した。MLBの調停制度は、NPBのそれとは異なり、契約促進や平均年俸の上昇に大きな効果を発揮している。その最大の理由は、妥協案を提示しない裁定方式にあると言える。

2015/01/15

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今回、調停を申請した選手は175人!?

『ボストン・グローブ』紙のピート・エイブラハム記者は、現地時間13日に以下のようにツイートした。
 
#RedSox players Wade Miley, Daniel Nava, Rick Porcello and Junichi Tazawa filed for arbitration. Figures would be exchanged Friday.
レッドソックスのウェイド・マイリー、ダニエル・ナバ、リック・ポーセロ、田澤純一は年俸調停を申請した。(選手、球団)双方は、金曜日までに互いの主張を提出することになる。
 
 エイブラハム記者のツイート後、MLBは2015年の年俸に関する年俸調停の申請を締め切り、その対象者を公表した。そこには全メジャーリーガーの14.5%にあたる計175選手の名前が記載されており、田澤はその一人だった。今後のプロセスはどうなるのか。『SBネーション』ではこう報じている。
 
Clubs will exchange salary figures with players on Friday. In any case where the two sides don’t reach an agreement, arbitration hearings for those cases will be held in front of a three-person panel between Feb. 1 and Feb. 20.
選手、球団双方が希望金額を金曜日(16日)までに提出する。その後も合意に至らぬ場合は全て、2月1日から20日までの間に3人の調停者による聴聞会が持たれる。
 
 田澤の2014年の年俸は127万5000ドル(約1億4900万円)で、球団側は12月中旬に条件提示を行っている。彼は過去2年連続で71試合登板とフル稼働を続けており、選手の移籍や契約に関する情報を発信している『MLBトレード・ルーモアズ』は、200万ドル(約2億3400万円)が攻防ラインと見ているようだ。もっとも、田澤を含め今回調停を申請した175人のケースの大部分は、聴聞会を待たず選手、球団双方が妥協し契約を結ぶことになるだろう。
 
Last season, only three cases reached the hearing phase, and that came after a 2013 in which no cases went to hearing, the first time in 40-plus years that every player who filed avoided arbitration.
去年の場合、聴聞会が開催されたのは3件しかなく、その前の2013年に至ってはゼロだった。全選手が調停を回避したのは40年以上の歴史の中で初めてのことだった。
 
 MLBの調停委員会は折衷案などを提示せず、双方の主張のどちらがより正当かを判断する。その結果敗戦する可能性もあるので、自らの主張を多少下げても、妥結を促す効果があるのだ。

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