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【MLB】ファウルボールが顔面直撃し失明。陪審団はインディアンスの責任を認めず

2017/03/28

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 クリーブランド・インディアンスの本拠地、プログレッシブ・フィールドで2012年にファウルボールが顔面を直撃し失明をした男性が、インディアンスに対して訴えを起こしていた訴訟で、クリーブランド地域の郡裁判所陪審団は、インディアンスの責任を認めない評決を下した。『クリーブランドドットコム』が報じている。
 
 事故は2012年7月20日に発生した。ニューヨーク州出身の男性が内野席に座っていたところ、案内係が試合後の花火のために、男性に移動を指示した。男性がそれに従い、席を離れ、フィールド上から目を切ったときに打球音が聞こえ、フィールドに対して振り返ったところで、95マイル(約153キロ)に達していたファウルボールが顔面に直撃したと、男性は主張していた。
 
 しかし、インディアンスは男性の主張である「案内係が試合中に席から離れさせた」点に関して否定。裁判では周りに座っていた他のファンを証人として呼び出し、案内係が試合終了前に席を離れるようにさせることはなかったとの証言を得た。
 
 一方で、男性は席を移動する合図として、案内係が男性をずっと見つめていたとの主張をしていたが、陪審団はこれを移動の指示と認めなかった形だ。
 
 インディアンスの弁護士のトッド・ヒックスは、もしこの事故が球団の責任だと認められたら、米国中の野球場、チームに対して訴訟が相次ぐことになるだろうとの見方を示し、陪審団の評決に満足した。
 
 MLBと裁判所では長年「ファンはボールや折れたバットが当たるリスクを認めた上で試合に行くこと」を主張し、支持されている。今回の評決もこの主張に従った形である。
 
 一方、日本では2016年に、札幌ドームでファウルボールが顔面に直撃し、損害賠償を求めていた女性に対し、札幌高裁は北海道日本ハムファイターズの責任を認め、損害賠償の支払いを命じている。