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【MLB】戦力外は逆に“チャンス”? 青木にとって重要な2日間がはじまる

2017/08/30

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 トロント・ブルージェイズの40人枠から外されていた青木宣親外野手が、29日(日本時間30日)にチームから解雇されて、フリーエージェントとなり、どの球団とも交渉可能となった。35歳の青木にとっては、今季再度活躍するためには9月に入るまでの残り2日間が非常に重要となってくる。
 
 MLBで選手がポストシーズンに出場するには、8月31日までにチームのロースターに入っている必要がある。ゆえに、青木は実質30日と31日の残り2日間で所属先を見つけなければならないのだ。
 
 ブルージェイズがトレードで獲得したばかりの青木を解雇したことは非情であるように見える。しかし、35歳の青木にとってはポストシーズン進出の見込みがないブルージェイズに所属して有望な若手の控えに回るよりも、ポストシーズンの可能性があるチームと契約してバックアップ、場合によっては正外野手としてチームの勝利に貢献して、実績を積んだ方が来季の契約の際にも有利に働くのだ。青木にとってはチームさえ見つかれば戦力外はチャンスなのだ。
 
 そこで、ポストシーズン進出の見込みがあり、控え外野手が欲しそうなチームを探してみると、いくつかの候補が上がる。一つ目はミルウォーキー・ブリュワーズだ。現在、登録されている外野手は3人。控えにはペレスがいるが、彼はどこのポジションでも守れる本職は内野のユーティリティープレイヤーだ。40人枠にはマイナーで好成績の若手の外野手はいるが、チームとしては確実に成績を残せる外野手が欲しいことだろう。また、青木にとってブリュワーズはMLBでの最初のチームという歴史もある。
 
 二つ目のチームはミネソタ・ツインズだ。中堅手のバクストンは後半戦に入り長らく最高の有望株と期待されていたような活躍を見せるようになった。しかし、控えのグラニテは実績不足の若手。グロスマンは怪我と、ベテランの青木が4番手の外野手として回ればチームに安定感が増すだろう。
 
 古巣のアストロズでも青木は心強いバックアップあるいは正左翼手となれる。青木を放出したきっかけとなった若手のフィッシャーは8月に20試合に出場し、打率.158、1本塁打、3打点と絶不調。世界一を狙いに行くなら長打は少なくても打率を残せる青木の方が良い選択肢だと考えても不思議ではない。青木自身もびっくりしたという電撃トレードの経緯もあるが、呼び戻す可能性もある現状だ。
 
 青木にとって今後の野球人生を占う2日間。もし、所属先が見つからなかったら、今季は所属なしのままシーズンを終えるかもしれない。果たしてプレーオフ進出を狙うチームからオファーは来るのだろうか。