インディアンス三遊間コンビ、歴史的ホームラン記録の可能性 米公式サイトが注目
2018/07/17
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アメリカン・リーグ中地区首位を快走するクリーブランド・インディアンス。地区3連覇を目指すチームをけん引するのは、オールスターゲームにも選出されたホセ・ラミレス内野手とフランシスコ・リンドーア内野手だ。リーグを代表するスターへの階段を登り始めたこの若きラテンコンビに米公式サイト『MLB.com』も大きな注目を寄せている。
オールスター前の15日(日本時間16日)までにラミレスは29本、リンドーアは25本のホームランを放っている。これは、ニューヨーク・ヤンキースの昨季本塁打王コンビ、アーロン・ジャッジ外野手(25本)、ジャンカルロ・スタントン外野手(23本)を凌ぐ数字である。
ラミレスが身長175センチ、リンドーアが180センチと、このインディアンスのコンビはともに大柄ではない。またいずれも純正のホームランバッターではない。リンドーア自身も「私はパワーヒッターではないし、ラミレスもまたそうである。我々は、ホームランを打つコツを見つけた巧打者だ」と述べている。
そして、ともにスイッチヒッターであり、三振が少ないことも共通している。7月12日時点でホームランを20本以上放っていた18選手のうち、三振率が17%を切っていた選手は5人。1位がラミレス(11.2%)、5位にリンドーア(16.9%)ということだ。ラミレスの数字はMLB全体を通しても上位につけているものである。
このコンビの凄さは、グラウンド上で三遊間コンビを組んでいることである。過去のデータによると、シーズンの最低50%以上の試合でサードあるいはショートを守っていたコンビがともに30本塁打以上放ったケースは下記の4例のみということだ。
2001年オークランド・アスレチックス
エリック・チャベス(32本)&ミゲル・テハーダ(31本)
2002年アスレチックス
チャベス(34本)&テハーダ(34本)
2011年ボルティモア・オリオールズ
マーク・レイノルズ(37本)&J.Jハーディー(30本)
2016年タンパベイ・レイズ
エバン・ロンゴリア(36本)&ブラッド・ミラー(30本)
米公式サイト『MLB.com』のアンソニー・カストロビンス記者は、ラミレスとリンド―アの両選手が歴史的なホームラン記録を作る可能性を指摘している。
前半戦の数字を見る限り、ラミレス、リンドーアが30本をクリアするのはほぼ間違いないだろう。それどころか40本も狙えるペースにあり、これまでの三遊間コンビ記録を大幅に更新しそうな予感だ。さらに両選手は、打つだけでなく、守備、走塁でも貢献度が高いオールラウンダーでもある。25歳、ドミニカ共和国出身のラミレス、プエルトリコ出身の24歳リンドーア、才能あふれるこの2人の若者が、後半戦もMLBを席巻しそうな勢いだ。
文・高橋康光