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過去にはオーナーが監督も兼務!? イチローの金字塔到達のカギ握る、マーリンズ素人監督の手腕

イチローが所属するマーリンズ指揮官の交代。マイク・レドモンド監督の後任には、GMを務めていたダン・ジェニングズ氏が抜てきされたことは、全米で驚きのニュースとして取り上げられた。

2015/05/21

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Getty Images



過去にはオーナーが監督に就任も!?

 大リーグではこれまでも異色の経歴を持つ監督が何人も誕生してきたが、中でも飛び抜けているのはブレーブスを1試合だけ指揮したテッド・ターナーだろう。
 野球に関しては、ジェニングズと比較にならないほど、ずぶの素人。アメリカの放送局CNNの創業者として知られ、「メディア王」とも呼ばれた辣腕財界人だ。
 当時のケーブル局ターナー・ブロードキャスティング・システムが、1976年にブレーブスを買収。オーナーとなったターナーだが、翌77年の開幕直後にチームは16連敗を喫する。これに業を煮やし、5月11日のパイレーツ戦で、ついには自ら監督に就任してしまったのだ。
 すでに破天荒な言動で他球団オーナーからのおぼえも悪かったというターナー。そもそもオーナーと監督の兼務は禁止されていた。球界そのものを侮辱しているかのような行動に、当時のコミッショナーから退任勧告が出され、この1試合だけで監督の座を退いている。
 ちなみにターナーが指揮した試合は1‐2で敗れ17連敗。その翌日に新監督の下、チームは泥沼の連敗から脱したというのも皮肉な話だ。

 ただ野球に情熱を注ぐターナーのおかげで、積極的な補強などチーム強化は進んだ。90年代の黄金期は、ターナーなくして訪れなかっただろう。07年にはブレーブスを売却しオーナーではなくなったが、本拠地ターナー・フィールドの名前をはじめ、その足跡はいたるところに残されている。

 温厚な人柄で知られるジェニングズ新監督が、ターナーのようにグラウンド内外で騒ぎを起こすことは考えにくいだろう。イチローが用意したネクタイでのアメリカンジョークのイジリにも、顔を赤く染め照れながら完璧に対応してみせた。

 チーム成績は、実はイチローの起用法にもリンクしてくる。チームに負けが込み、早々にプレーオフ争いから脱落するようでは、来季を見据えてより若手中心の起用にシフトせざるを得ない。そうなれば間違いなく出番は減る。イチローが打席数を重ね、安打数を伸ばしていくためには、チームがある程度順調な成績を残していかなければならない。

 素人監督の手腕は、迫りつつあるイチローの金字塔到達とも、決して無縁ではないのだ。

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