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菊池雄星の強みは“修正力” 課題は直球のコントロールとスライダー2種の精度【雄星リポート第4戦】

シアトル・マリナーズの菊池雄星投手が10日(日本時間11日)、敵地でのカンザスシティ・ロイヤルズ戦に先発。またしても勝ち星は逃したが、メジャーにきてからの強みとなりつつある“修正力”をこの日も存分に見せつけた。

2019/04/11

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  シアトル・マリナーズの菊池雄星が敵地・カンザスシティでのロイヤルズ戦に先発、6回5安打3失点で勝利投手の権利を持って降板したが、救援陣が打たれて勝利はつかなかった。試合はマリナーズが6-5で勝利した。
  
 試合は1回表にマリナーズがエンカーナシオンの適時打で1点を先制するも、その裏、2死から3番・モンデシーに右翼前安打をあびると、すぐさま盗塁を許して2死二塁のピンチ。ここで4番のソレアにレフト前適時打を打たれて同点に追いつかれた。
 
 さらに、2回裏には、スライダーが甘く入ったところを7番のドジャーに左翼スタンドに放り込まれて、勝ち越しを許した。3回表にチームが逆転するも、3回裏にはソレアに同点の本塁打を浴びた。序盤3回は、相手の足や打者を警戒しすぎて、制球が乱れることをまねいた印象だった。
 
 しかし、ここから菊池が息を吹き返す。
 いや、メジャーに移ってからの菊池の特性ともえよう。チームが2点を勝ち越して迎えた4回裏、オーウィングスからの攻撃を3人で片付けてリズムを作ると、5回裏には、ゴア、メリフィールド、ハミルトンといった足のある選手を内野ゴロと平凡な飛球2つに抑えて出塁を許さなかった。
 
 そして、6回裏は圧巻投球。
 この日、手を焼いていた、3番のモンデシー、4番のソレアを得意のインコースのスライダーで空振り三振。5番のシュインデルを三塁ゴロに切って3イニング連続で三者凡退に切ることに成功した。
 
 6回を投げて5安打3失点3三振。球数は80球だったが、この回限りでマウンドを降りた。救援陣が打たれて、3試合連続で勝ち星を消されてしまった形だが、前回に続いてゲームを落ち着かせたピッチングは次回へと繋がるだろう。相手の打者がどういうタイプなのかを見抜くと、ピッチングを修正できる。メジャーに来てからの菊池の良さの一つだ。
 
 もちろん、課題はある。
 この日は、序盤からストレートをインコース高めに投げきれなかった。ストレートの球威は153キロを計測するなど、十分なクオリティだったが、意図通りにコントロールできるかどうかかが課題になる。
 
 また、今年から2種類のスライダーを投げているが、そちらの精度も、まだまだ彼本来の軌道は描けていない。ただ、言い換えれば、この二つが本来のものになってくると、もっと三振を取れるし、投球の幅が広がってくるはずだ。
 
 次回登板はおそらく、中4日明けてからのインディアンス戦になる。
 ホームへ戻ってストレスが減るとはいえ、相手打線は強力だ。地区3連覇中のインディアンスにどれだけのピッチングを上げることができるだろうか。
 
 
氏原英明