エンゼルス、俊足&速球魅力の18歳をドラフト指名 新設カテゴリー「二刀流」への挑戦なるか
2019/06/08
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ドラフト4巡目、大学進学を選択の可能性も
2019年度のMLBのドラフト会議が終了した。ボルティモア・オリオールズから全体1位指名を受けたアドリー・ラッチマン捕手(オレゴン州立大)に始まり、全体6位までを野手が指名され、また1巡目30人のうち遊撃手がポジション別最多の8名になるなど、今年は各チームにセンターライン重視の傾向が見られた。
大谷翔平投手が所属するロサンゼルス・エンゼルスも例外ではない。1巡目指名(全体15位)のウィル・ウィルソン(ノースカロライナ州立大)が遊撃手、2巡目(全体55位)のカイレン・パリス(フリーダム高)も遊撃手だ。続く3巡目から16巡目まで14人の投手が続き、最終的には26人の投手、5人の遊撃手、4人の外野中堅、2人の捕手が指名されている。
その中で注目される存在が4巡目(全体121位)指名のエリック・リベラだ。リベラはプエルトリコ・ベースボール・アカデミー出身の18歳。(注:MLBのドラフト会議では米国、カナダ、プエルトリコの北米3国の高校・大学生が対象になる。それ以外の国の選手は7月に契約が解禁される外国籍FAの対象となる)
米公式サイト『MLB.com』のドラフト特設ページ『Draft Tracker』ではリベラのポジションを投手としているが、エンゼルスはリベラを投手兼外野手の二刀流選手として育成する方針だと見られている。リベラは身長約187センチ、体重約88キロ。左投左打で俊足の外野手でもあると同時に、速球派の投手でもある。スカウティング・レポートの1つ、『Perfect Game』では投手としてのエリックを最速92マイル(約148キロ)と紹介している。
エンゼルスのスカウティング・ディレクターであるマット・スワンソン氏はリベラについてこう語っている。
「エリックはこの夏のナショナルチームで打者と投手の両方をこなしている。95マイル(約153キロ)のボールも投げたらしい。投打両方が出来るチャンスがある選手はとても貴重だ。」
エンゼルスは大谷の他に、既に4人の選手を傘下組織で二刀流に挑戦させている。4人の現在の所属先とポジションは以下の通り。
ジャレッド・ウォルシュ(MLB):一塁手、外野手、投手
ケイレブ・コワート(3A):三塁手、投手
ボー・ウェイ(2A):外野手、投手
ウィリアム・イングリッシュ(ルーキー):指名打者、投手
ここにリベラが加わり、大谷が投手としても復帰すると、エンゼルス組織全体での二刀流選手、少なくともその可能性がある選手は6人になる。来シーズンからMLBで新設される「二刀流」カテゴリーのベンチ入り枠は1人のみ。この中の誰がそのポジションを勝ち取るだろうか。
もっとも、18歳のリベラは既にフロリダ国際大学の野球チームへ入学が約束されているので、エンゼルスへの入団を拒否して、大学進学を選択する可能性もある。『Draft Tracker』ではリベラが入団した場合の契約金を47万3000ドル(約5100万円)と推測している。