相手ベンチに影響を与える“代打・大谷翔平”。苦にしない左腕を相手チームがぶつけてくる理由とは
ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手が、代打としても存在感を放っている。指名打者(DH)制のない試合では出場機会が限られる中、あらゆる面において相手チームにプレッシャーを与えるジョーカーとなっている。
2019/06/24
Getty Images
限定的な起用も“代打大谷”の存在感
サイクルヒット達成など、週間MVP受賞の予感も感じさせた前週の活躍と比べると、この一週間の大谷翔平選手(ロサンゼルス・エンゼルス)は、休養、DH制のないナショナル・リーグチームとの対戦により、フル出場3試合、代打出場4試合と限定的な起用となってしまった。
第9号ホームランを放った、現地17日(日本時間18日)の対トロント・ブルージェイズ戦後に大谷自身が「体力的にも、精神的にも現状では今が一番いい」とコメントしていることを考えれば、事情が事情とはいえ、限定的な出場となってしまったこの一週間は、大谷にもチームにも消化不良となったようにも思える。大谷がスタメンを外れた現地20日のブルージェイズ戦から同23日のセントルイス・カーシナルス戦でエンゼルスは1勝3敗と負け越し、再び借金生活に入った。
4戦連続で代打出場となった大谷は計4打数1安打を記録。いずれも僅差の場面、ランナーを置いた状況での登場となり、凡退した3試合ではチームが敗れ、ヒットを放った試合ではチームも勝利と、奇しくもチームと大谷の結果が連動することとなった。
また、この4打席中、3度は相手にサウスポーをワンポイントリリーフにつぎ込ませており、大谷自身も今季代打初安打を打った現地23日の試合後に「浅い回であまりピッチャーも使いたくないところで、僕のところで(左腕に)変えてきて、それを打ったと言うことに関してはよかった」と言ったように、“代打大谷”の存在が相手チームの戦略に影響を与えているのがうかがえる。
現地23日の試合終了時点で、大谷の対左投手への打率は.298(対右は.260)となっており、OPSも対左には.871(対右は.806)と各チームとも大谷が左投手を苦にしていないことは織り込み済みであろう。