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大谷翔平の起用法めぐりエンゼルス補強策に難題。「複数のスポット先発が必要」強力ローテ再編に影響か

2019/11/13

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復帰後は週1の登板で「少なくともスポット先発する複数の投手が必要」

 ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手が、来季の「二刀流」復活に向けて順調に調整を進めている。米公式サイト『MLB.com』が11日(日本時間12日)に伝えている。
 
 大谷は打者に専念した今季、左膝の手術を受けるため9月11日(同12日)を最後に戦線を離脱。手術後は懸命なリハビリを重ね、キャッチボールの距離を伸ばしながら復帰へ向けて順調にステップを踏んでいる。
 
 そして同サイトによれば、エンゼルスのビリー・エプラーGMは11月下旬にマウンドでの投球を始める予定だと明言。12月中旬には投球プログラムを終了するとみられ、スプリングトレーニング(春季キャンプ)を万全の状態で迎えられそうだ。
 
 来季は二刀流が解禁されるということで、同サイトは大谷の起用法について「週に1度の(先発)登板、指名打者として3度~4度出場する」と予想。そのため「少なくともスポット先発する複数の投手が必要になるだろう」としている。
 
 エンゼルスは今オフ、FA市場の中から2人の先発投手を補強する方針を打ち出した。球団もそれに向けて潤沢な資金を準備しているとの報道もあり、目玉の1人であるゲリット・コール投手の獲得も視野に動くと見られている。
 
 しかし、ローテの隙間いわゆる“スポット”で登板する投手も複数必要となれば、もちろん今いる人材で埋める可能性はあるものの、スポットとなる投手をFA市場から新たに獲得する場合は、同じくFA市場からエース級投手を加えての先発ローテーション再建へ向けた補強策にも影響が出てくるかもしれない。
 
 とはいえ、大谷自身は週1登板となっても先発ローテーションの重要な柱の一人となる期待がかかる。シーズン通算の登板数は他の先発投手より少なくなるが、100マイル(約161キロ)前後の速球やキレのあるスプリットを武器とする大谷の能力はコールにも劣らない。
 
 それだけに、エプラーGMも「ショウヘイが必要なものを全てこなすまで待つ」と焦らせない姿勢。右肘靭帯再建手術(トミー・ジョン手術)、左膝手術を経て“完全復活”を目指す右腕を全力でバックアップする構えだ。
 
 また、同氏は大谷のトレーニングの状況について「120フィート(約36.6メートル)から140フィート(約42.7メートル)の距離でキャッチボールをし、トレッドミル(室内用走行器具)でもより強い負荷で走っている」と説明し、今後も少しずつ負荷を強くした上でマウンドでの投球練習に移行させるとした。
 
 まずは年明けのスプリングトレーニングへ向けて、大谷はオフシーズンも復活へ向けてその歩みを進めるだけ。一方、チームとしては補強に向けた動きがどのような形で進められるのか、最大の課題である先発投手陣の編成に注目だ。