着実に3000本へ A・ロッド記録達成でスポットライトはイチローに
ヤンキースのアレックス・ロドリゲスが19日のタイガース戦で、史上29人目の通算3000安打を達成。次なる「3000―hit Club」の候補者として、全米のメディアもマーリンズ・イチローにスポットを当てはじめた。
2015/06/21
Getty Images
来季のメジャー契約できるかが大きなポイント
マーリンズのダン・ジェニングズ監督は17日のヤンキース戦前に「球団内部でイチローとの契約延長について話し合ってはいる」と米メディアに明かした。5月までGMを務めていた指揮官の言葉は、その日のうちに方々を駆け巡った。
イチローはここまで、第4の外野手として申し分ない働きをしている。クリスチャン・イエリッチが腰の軽度のヘルニアでDL入りした際には、その穴を埋めて余りある働き。年俸200万ドル(約2億4600万円)の投資に見合ったリターンをもたらしている。
イチロー側も、年齢的にレギュラー保証されたメジャー契約は望めないことから、オフの契約交渉で多くを求めることはないだろう。同程度の条件で、1年間の契約延長に両者が合意する可能性は十分ある。
CBSスポーツが指摘したように、3000安打が手の届く位置にくることにより、来季中の記録達成が計算できるメリットもある。記録達成の瞬間は日米両国で何度も繰り返し流される。その露出効果だけでなく、記録直前に迫った時の注目度や集客力アップ。加えて関連グッズの販売など、副産物は数えればキリがない。
イチローにとって大切なのは、限られた起用の中でも着実に1本1本、安打を積み重ね、控え起用でも来季中の記録達成は確実、というところまで持っていくことだ。
唯一のリスクは、悪名高いジェフリー・ロリア・オーナーの存在だ。過去2度のワールドシリーズ優勝チームは直後に解体して、高額年俸選手を一斉放出した。「メジャーで最も信用ならない男」のレッテルを貼られ、今年も指導者経験のないジェニングズ監督を電撃就任させるなど、やりたい放題。
気まぐれで、現場のことなど一切考えないワンマンオーナーが、イチローをどう評価しているのかはわからないが、冷静に考えれば、故障や大スランプに陥らない限り、来季中到達の可能性は高いと言えるだろう。
オフにマーリンズと控えでの1年契約を結んだ時点では、決して安泰な道ではなかった3000安打という偉大なマイルストーン。派手さはなく地味な歩みだが、史上30人目となる「3000―hit Club」への重いドアノブに、いよいよ天才が手をかけようとしている。
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