MLBでは深刻な問題 「引退は考えていない」脳しんとうと戦う、ロッキーズのモーノー
2011年には脳しんとう用の故障者リストが設けられるなど、脳しんとうは深刻な問題としてメジャーリーグも取り扱われている。2006年MVPを受賞したジャスティン・モーノーは幾度となく、脳しんとうに悩まされ、その苦しみを乗り越えて復活を遂げている。今季も2カ月以上の離脱となっているが、まだ引退は考えていないと主砲は言う。
2015/07/26
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初めてではない脳しんとう
ジャスティン・モーノーは脳しんとうと長い付き合いとなってしまっている。
2010年7月7日、トロントで行われた試合で1塁ランナーとして、ダブルプレーを崩すためにセカンドへ滑り込んだ際に相手の膝が頭に当たり、脳しんとうが診断された。そこから思うようなプレーができず、後遺症に苦しむ時期を過ごしている。
初めてではないからこそ、チームもモーノー自身も慎重になっている。今季が2年契約の最終年ではあるが、2016年はオプション付きであり行使しない場合はバイアウトが含まれている。今後ロッキーズに残るか不透明であっても、ワイス監督はモーノーはいてほしい存在であることを語った。
“It’s a big part of it. When you’re hurt, you don’t feel like you’re part of the team. Those guys who have long-term injuries, it’s really important that they still feel part of the team. Obviously, when the game starts, they can’t. But all the periphery things, they can be around. Especially a couple guys you consider core guys. They can have an influence on the club still ? a veteran like Morneau, even more so.”
「大きな要因だ。怪我をしているときは、チームの輪から取り残された感覚に陥ることがある。特に長期的な怪我を抱えている者は、チームの一員であると感じ続けることは非常に重要だ。仕方のないことで、確かに試合が始まってしまうと（一員と感じるのは）難しいが、試合以外の部分では加われる。特にチームの核と考える選手たちは。（試合に出場していなくても）チームに良い影響を与えることができる、モーノーのようなベテランであればなおさらだ」
ワイス監督はモーノーの今季中の復帰に関しては、「なんとも言えない。これは類のない状況だ」と語っている。
メジャーリーグでは選手会との合意で2011年に脳しんとうの疑いがある選手へ誤った診断が下されないように、7日間の故障者リストが設けられた。選手だけではなく、審判も脳しんとうの疑いがあればテストを受け、その結果でいつ試合に復帰可能かを判断される。
このルールは第一に選手を守ることにつながる。
長いシーズンを戦うチームにとって、選手の枠が決まっている中で貴重な戦力を欠くことは痛手となる。そのため、両者の焦りから誤った判断を引き起こす可能性はあった。だがこのルールの導入によって、お互いが余裕を持って治療に専念することができる。
より多くの人が脳しんとうを軽率に扱わず、その深刻さと向き合うことで一人でも多くの選手を守ることにつながるだろう。ジャスティン・モーノーの復帰をみんなが期待しているが、ここは周囲が焦らず見守り、再び打席からあの美しい放物線を描く姿を待とう。
出典：Justin Morneau still hopeful of returning to Rockies this season By Patrick Saunders in The Denver Post on July 20 2015
Justin Morneau’s return to Rockies remains murky; “I’m not sure,” Weiss says. By Nick Groke in The Denver Post on July 22, 2015
MLB, Union adopt universal concussion policy By Cash Kruth in MLB.com on March 29, 2011