【MLB】タイ・カッブを『抜いた』はおかしい? イチローの通算安打記録に否定的な米メディアも
イチローの日米通算でタイ・カッブの安打数を抜いたことに対して、米メディアでも称賛する意見もあれば、否定的な意見もある。『SI.com』で編集デスクを務めるケネディ氏はイチローがタイ・カッブを抜いたという考えはおかしいと指摘している。
2015/08/19
Getty Images
間違いなく来年にMLB通算3000本安打は達成する
41歳になったイチローは、出場機会が減ってきた今でも尚、MLB通算安打数を2915まで重ねてきた。ここ3シーズンでは打率.267の打者ではあるが、守備では安定したプレーを続けており(全盛期のときにはゴールデングラブ賞10度獲得するなど素晴らしかった)、打席でもユニークな存在であり続けている。ケネディ氏はある予想を立てている。
“It’s a good bet that at some point next season, wearing a Marlins uniform or someone else’s, Ichiro will become the 30th man to amass 3,000 hits in the major leagues. He is, without question, the greatest player to come from the Japanese leagues to the Majors.”
「来季中にマーリンズもしくは他のチームのユニフォームを身に纏い、メジャー通算3000本安打を記録する30人目の選手になることを賭けてもいいだろう。彼は疑いなく、日本からメジャーに来た最高の選手だ」
ケネディ氏はこう続ける。
日本で量産した1,278本の安打数と合計すると、プロ生活では通算安打数が4,193本となる。ハンク・アーロン氏が通算4,106本だったことを考えるとその数は少なくない。メジャー通算4,191本と記録されているタイ・カッブは10代の頃、サウスアトランティックリーグで166本の安打を記録しており、その時もお金をもらってプレーしていたため、厳密には「プロ扱い」となる。それを合わせると、通算安打数4,359本となる。そしてピート・ローズ氏も記録上は4,256本の安打となっているが、マイナー時代にも427本放っており、合計すると4,683本となる。今のペースを考えると、これらの数字をイチローが抜き去るのは2020-21年ごろになるだろう、と。
日本のプロ野球のほうがマイナーリーグやサウスアトランティックリーグよりレベルが高いという方も多いかもしれないが、そういった指摘を予測して、ケネディ氏はイチローが日本でプレーしていた1992-2000年の間、日本でMVPを獲得したジャック・パウエル、トーマス・オマリー、そしてタフィー・ローズらですら、メジャーの実績として残している打率がそれぞれ.239、.256、.224として実例をあげて紹介している。